創薬研究センター

「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 創薬研究センター

文部科学省が実施する「平成27年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に、本学が申請した研究プロジェクト『アンメット・メディカル・ニーズに応える創薬基盤研究の推進および臨床応用への展開』が採択されました(研究代表者:大学院薬学研究科教授 加藤 正)。“アンメット・メディカル・ニーズ”とは、いまだ有効な治療薬/治療法のない医療ニーズのことで、この領域に含まれる疾患に対する治療薬/治療法の開発は、最も社会的要請の強い研究課題の一つであります。本プロジェクトは、今後5年間(平成27年度~平成31年度)にわたり文部科学省の助成を受けて実施されます。
本プロジェクトの研究組織である「創薬研究センター」は、創薬化学教室、分子薬化学教室、医薬合成化学教室、環境衛生学教室、薬理学教室、機能形態学教室、病態生理学教室の7つの研究室から構成されており、異なった研究分野や研究手法の有機的な融合により、革新的な創薬研究が可能となっています。


平成27年度選定「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」研究進捗状況報告書

■本プロジェクトの目的・意義

 本学大学院薬学研究科ではこれまでに、ハイテク・リサーチ・センター整備事業「生体内分子標的理論に基づく創薬とその臨床治療への応用(平成17年度~平成21年度)」および私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「癌および加齢性疾患の制御とQOL向上を目指す創薬(平成22年度~平成26年度)」を実施し、独創的で先駆的な基礎研究成果をあげてきました。本プロジェクトでは、これまで培ってきた知識・経験・技術をもとに、アンメット・メディカル・ニーズの高い「がん、老年性神経系疾患、難治性疼痛」の3領域に対する創薬基盤研究の推進を図り、東北地方における創薬研究拠点としての役割を果たすことを目的としています。

■本プロジェクトの概要

本プロジェクトは下記の3つの研究テーマ(1)~(3)で構成されています。

(1)新規がん分子標的治療薬の創製

新しい作用機序を有する分子標的抗がん剤および新規ヌクレオシド系抗がん剤の創製を目指した分子設計、合成法開発、構造活性相関および薬効/毒性評価を行う。具体的には、以下の ①~③ を実施する。

① 新しい分子標的抗がん剤のシード天然物であるナキジノールB(脳腫瘍細胞増殖抑制活性)、リファガール [ホスファチジルイノシトール 3-キナーゼ(PI3K)阻害活性]、TAN-1813 [ファルネシル基転移酵素(FTase)阻害活性] の合成法の確立と構造活性相関の解明によるリード及び開発候補化合物の創製を行う。

② 新規骨格を有するヌクレオシドホスホナート誘導体を中心とするヌクレオシド誘導体の設計・合成および抗腫瘍活性評価を行い、新規ヌクレオシド系分子標的抗がん剤のシード/リード化合物の創製を行う。また、合成中間体を含めた合成品の抗ウィルス活性やグリコシダーゼ阻害活性などの生物活性評価についても検討し、これら創薬ターゲットに対するシーズ探索も行う。

③ 開発候補化合物の毒性および薬物相互作用について、遺伝子組み換えにより薬物代謝酵素を発現させた培養細胞を用いて評価を行う。また、がん細胞の増殖やiPS細胞の各臓器への分化誘導に開発候補化合物がどのように影響するのかを調べ、薬効補評価を試みる。

(2)老年性神経系疾患(老人性認知症、高齢者うつ病)改善薬の開発

老年性精神神経系疾患である老年性認知症や高齢者うつ病の症状改善薬の創製を目指した分子設計、合成法開発、構造活性相関および薬理学的/分子生物学的解析を行う。具体的には、以下の ① と ② を実施する。

① エストロゲン受容体α,βの選択性との関連、膜受容体の関与の可能性、アゴニスト/アンタゴニスト・バランスと神経系活性との関連という分子設計と構造活性相関からの研究と、行動薬理学から分子薬理学/分子生物学的な研究の両方向から、作用機序の解明と優れた記憶障害/精神疾患改善薬のシード/リード化合物を創製する。

② 精神系疾患モデル動物 (認知症および統合失調症モデル動物) を用いて、開発候補化合物「BE360」と共に新たに創製したシード/リード化合物の効果および作用機序を行動薬理学的/分子生物学的解析により評価する。また、臨床試験に向けた薬理/毒性試験も実施する。

(3)難治性疼痛に対する緩和医療法の確立

各種難治性疼痛に対する特異的治療薬(鎮痛薬)の開発と、それを用いた新規緩和医療法の確立を目的とした構造活性相関、薬理学的解析ならびに免疫学的検討を行う。具体的には、以下の ① と ② を実施する。

① amidino-TAPAをプロトタイプ化合物として、各種難治性疼痛(神経損傷性神経障害性疼痛、炎症性疼痛、神経絞扼性がん性疼痛、多発性硬化症疼痛、脳腫瘍誘発疼痛)に有効かつ、依存性のない新規鎮痛薬の開発を目指す。

② オピオイド受容体遺伝子多型と疼痛緩和候補化合物の免疫応答に及ぼす影響の関連性を健常者や患者の検体により解析する。また、疼痛治療薬による感染症やアレルギー疾患の発症・悪化の感受性増大リスクを軽減するための情報基盤を確立し、個別化療法への応用に向けた新規疼痛治療薬の創製を目指す。





構成員(平成29年度)

プロジェクト代表者 加藤正

テーマ① 研究代表者 加藤正(創薬研究センター教授)

医薬合成化学教室 分子薬化学教室 環境衛生学教室
准教授:渡邉 一弘
助 教:成田 紘一
教 授:吉村 祐一
講 師:若松 秀章
助 教:名取 良浩
助 教:斎藤 有香子
教 授:永田 清
准教授:熊谷 健
助 教:新藤 佐和子

テーマ② 研究代表者 遠藤泰之

創薬化学教室 薬理学教室
教 授:遠藤 泰之
准教授:猪股 浩平
助 手:皆瀨 麻子
教 授:丹野 孝一
准教授:中川西 修
講 師:八百板 富紀枝
助 教:根本 亙

テーマ③ 研究代表者 溝口広一

機能形態学教室 病態生理学教室 医学教育推進センター
教 授:溝口 広一
准教授:渡辺 千寿子
講師:善積 克
教 授:高橋 知子
教 授:大河原 雄一
講 師:宮坂 智充
助 教:河野 資
教 授:大野 勲

主な研究装置

■研究装置名

リアルタイム細胞アナライザー

 

■設置場所

教育研究棟8F 細胞培養室

■研究装置名

超高感度等温滴定型カロリメーター

 

■設置場所

中央機器センター 共通機器室

■研究装置名

正立型共焦点レーザー顕微鏡システム

 

■設置場所

教育研究棟7F・共用暗室

■研究装置名

擦過行動リアルタイム定量化システム

 

■設置場所

実験動物センター

■研究装置名

全自動磁気細胞分離装置 (autoMACS Pro Starting kit)

 

■設置場所

教育研究棟7F 病態生理学教室研究室

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