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Overview
Research
Division of Glyco-Signal Research, Institute of Molecular Biomembrane and Glycobiology, Tohoku Pharmaceutical University
1) 細胞表面糖受容体の検索
糖を検出する受容体として味蕾の甘味受容体が知られているが、脳やエネルギー代謝を調節する臓器で細胞表面受容体はまだ見出されていない。糖代謝の制御は、現在知られている機構だけでは説明がつかない部分があるが、細胞表面受容体の存在を仮定すると説明がつく。我々は、体液中の糖を検出する受容体が脳やいくつかの臓器に存在すると考え、その候補分子を検索している。酵母ではグルコースを認識する細胞表面受容体がG−タンパク質共役受容体 (GPCR)として見出されており、我々もほ乳類において以下に記すように糖鎖の受容体としてGPCRを同定しているので、GPCRは糖受容体の有力候補である。
細胞は、単糖であるグルコースを栄養源として利用するとともに、種々の単糖から構成される複雑な糖鎖を隣の細胞など個々の細胞の外の環境を認識するために用いています。こうした糖を認識し、分別するため、特定の糖と反応する受容体タンパク質が細胞の表面に発現され、これが糖を認識すると細胞内に情報を伝え、その結果、細胞の代謝や形態、機能が変化します。私達は、こうした生体膜表面の糖受容体を介した情報伝達を研究しています。私達が見出した神経細胞の複雑な糖鎖を認識する受容体は、単細胞生物である酵母が栄養源であるグルコースを認識する受容体と同じ仲間のタンパク質でした。神経細胞は、栄養源のセンサーと同じ仕組みを使って、神経ネットワーク形成のための相手の細胞を探していたのです。
 
糖や糖鎖を認識する細胞表面受容体の構造機能相関を理解することによって、生活習慣病や神経再生をターゲットとした創薬につなげるべく、主として下記の研究を行っている。
 
A Search for Glycoreceptor on Cell Surface
お知らせ メンバー 担当科目 リンク 生体膜情報学研究室
 
分子生体膜研究所 東北薬科大学 English
2) 神経細胞表面糖鎖受容体の構造と機能
糖鎖はそれを構成する糖の配列と結合様式によって多彩な構造を有し、細胞の顔として細胞膜表面に発現している。我々は、このような糖鎖で刺激することで神経細胞の突起の伸展や分岐が促進されることを見出し、細胞表面の糖鎖受容体によって認識された結果であり、この受容体がGPCRであることを明らかにしつつある。この糖鎖と受容体の相関を利用することにより、損傷した神経細胞の突起の再生などに応用できることを期待している。
Function of Glycoreceptor on Neuronal Cell Surface