医学部 研究室案内

Faculty of Medicine

基礎系

生理学DIVISION OF PHYSIOLOGY

河合 佳子 教授

STAFF

河合 佳子 教授

業績

林 もゆる 講師

業績

浅香 智美 講師

業績

研究テーマ

❶リンパ循環を含む循環生理学

❷脈管内の流体力学的作用(ずり応力)が脈管内皮細胞に及ぼす影響

❸癌細胞のリンパ行性転移に関与する分子生物学的アプローチ

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研究概要

リンパ系は循環系の視点から見れば、余分な水分の排出路という補助的な系と考えられがちですが、私たちは癌の転移路やリンパ節からのリンパ球の動員など、腫瘍・免疫の分野にも関わる重要な脈管系と考えています。
血液・リンパ液の「流れ」という物理的因子が脈管内皮細胞に及ぼす影響についても興味を持ち、肺細動脈内皮細胞への流れ刺激が、肺での炭酸ガス産生に関与している事実を報告してきました。また、ヒト集合リンパ管からリンパ管内皮細胞の分離・培養に成功し、そのリンパ管内皮細胞に流れ刺激が加わると、血管と同様に一酸化窒素(NO)を産生するだけでなく、NO合成酵素であるecNOSの遺伝子発現までもが亢進することも発見しました。
さらに癌細胞に流れ刺激が加わるとATPの分泌が亢進すること、加えてそのATPが細胞自身のプリナージック受容体を刺激してさまざまな遺伝子発現を変化させることも解明してきました。深部リンパ管の可視化という観点からは、ブタの胃粘膜に超音波造影剤ソナゾイドを注入し、所属リンパ節の輸入リンパ管や、リンパ節内の洞様構造をエコー下に解析する方法も研究してきました。
これらのような研究テーマを多角的に進められるよう、培養細胞レベルからウサギ・ブタ等の大型動物を用いた生体レベルまで、さまざまな実験手法を用いています。

主な担当科目

基礎生物学

1年次前期 / 必修 / 1単位

ねらい

生命体の構造と発生、多様性についての講義により、生物全般についての基本的事項を学習し、医学専門科目の履修に必要な基礎学力を身に付ける。

Message

医学の基礎分野、臨床医学を学ぶ際に必要な最低限の知識を習得し、それをもとに病気がどのように起こるか、考える方法を習得してもらうのが最大の目的です。予習・復習ともに大切ですが、特に復習を必ず行い、授業当日のうちに理解を確実にしてください。

基礎生物学実習

1年次前期 / 必修 / 0.5単位

ねらい

基礎生物学の講義で学んだ細胞・器官・臓器の構造と発生や多様性について、さらに理解を深めるために生物学関連の実習を行い、意見をまとめ、レポートを作成する方法を学ぶ。

Message

聴診器を用いた呼吸音や心音の聴取、血圧測定など、これから医師を目指す学生としての基本的手技を身に付け、正常の機能を理解することが目的です。また顕微鏡の使い方を習得するために、最近医学研究でよく用いられているゼブラフィッシュの発生を学び、今後の基礎医学や臨床医学を学ぶ際に必要な知識と技術を習得してもらうことも、本実習の目的です。
そのために実習前に必ず実習書を熟読して予習し、何を行うかをあらかじめ頭に入れておくことが重要です。復習に関しては実習当日のうちに何を行い、何を観察したかという理解を確実にしてください。

生理学

2年次後期 / 必修 / 3単位

ねらい

各器官系(血液・体液生理学、消化・吸収生理学、循環生理学、呼吸生理学、腎臓・排泄生理学、内分泌生理学及び酸塩基平衡)における生体の恒常性を維持するための情報伝達や機能、生体防御の機序を理解する。また、臨床医学を学ぶために正常器官系の機能を理解し、鑑別診断を進められるような基礎知識を習得するのが本科目の狙いである。

Message

臨床医学を学ぶ際に必要な正常機能に関する最低限の知識を習得し、それをもとに病気の原因を系統的、網羅的に考える方法を習得してもらうのが最大の目的です。
予習・復習ともに大切ですが、膨大な知識の習得を必要とするため特に復習を必ず行い、授業当日のうちに理解を確実にしてください。

生理学実習

2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

生理学・神経生理学の講義で学んだ知識を用いて、生理学的検査の結果から生体の機能を調べられることを理解する。

Message

生理学実習書(配布予定)をよく読み、講義資料の関連箇所を復習しておくようにしましょう(該当箇所を実習書で指示します)。なお、実習のはじめに生理学・神経生理学講義の関連知識の確認を行います。