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【プレスリリース】月経困難症の既往が周産期のメンタルヘルス管理に重要 -妊娠前に月経困難症であった女性は妊娠中も心理的ストレスが大きい-

発表のポイント

●妊娠前に月経困難症があった妊婦では、妊娠中に精神的ジストレスを有している割合が高かった。
●月経困難症は妊娠中期~末期の新規の精神的ジストレス発症と関連した。
●心理的ストレスの頻度は月経困難症の重症度が増すと増加した。
●月経困難症の既往は周産期のメンタルヘルス管理に重要である。

 

研究概要

東北医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室 目時 弘仁(めとき ひろひと)教授、東北大学病院婦人科学分野 渡邉 善(わたなべ ぜん)助手らのグループは、妊娠前に月経困難症があった女性は、妊娠中に心理的ストレスを抱えていたり、新規に心理的ストレスを発症しやすかったりすることを明らかにしました。本研究は、妊娠により月経が来なくなったとしても、妊娠前の月経困難症の有無を聞き取ることの重要性を明らかにした初めての報告です。

本研究成果は、2018年11月5日にJournal of Affective disorder誌(電子版)に掲載されました。

本研究は、環境省が実施しているエコチル調査の結果を用いて行われましたが、本研究は研究者の責任によって行われているもので、政府の公的見解を示したものではありません。

 

【用語説明】
注:精神的ジストレス:耐え難い心理的な苦痛を感じている状態をさす用語。本調査では、K6の点数が13点以上を精神的ジストレスありと判定しました。

 

【エコチル調査について】

子どもの健康と環境に関する全国調査は、環境が子どもの健康にどのように影響するのかを明らかにし、「子どもたちが安心して健やかに育つ環境を作る」ことを目的に2010年度に開始された大規模かつ長期に渡る疫学調査です。妊娠期の母親の体内にいる胎児期から出生後の子どもが13歳になるまでの健康状態や生活習慣を2032年度まで追跡して調べる計画です。

エコチル調査は、国立環境研究所に研究の中心機関としてコアセンターを設置し、国立成育医療研究センターに医療面からサポートを受けるためにメディカルサポートセンターを設置し、また、日本の各地域で調査を行うために公募で選定された15の大学に調査の拠点となるユニットセンターを設置し、環境省と共に各関係機関が共同して調査を行っています。

プレスリリース本文