薬学教育センター

第13回 東北薬科大学生涯教育講演会

日時: 平成20年11月22日(土) 14:00~17:00
会場: 東北薬科大学講義棟 701講義室
テーマ: 「薬学教育6年制における長期実務実習」

講演1

「米国Pharm.D教育における実務実習」

東北薬科大学臨床薬剤学 准教授 中村  仁

講演2

「受入れ施設と大学間における連携のあり方について」

東北薬科大学薬剤学 教授 鈴木 常義

参加費:無料

薬剤師研修センター認定: 2単位
日本病院薬剤師会生涯研修認定:1.5単位


講演会要旨

講演1 要旨

「米国Pharm.D教育における実務実習」

東北薬科大学臨床薬剤学教室  中村  仁

 

平成18年4月より、臨床教育の充実を目的として薬学教育6年制が開始された。新カリキュラムでは、薬剤師が医療チームの一員としての役割を果たすための教育が求められている。すなわち、長期実務実習による実践トレーニングに加え、コミュニケーション教育や問題解決型教育を行うことで、薬剤師としての専門能力を臨床現場で発揮できる質の高い薬剤師を養成する必要がある。

日本での新薬学教育の参考となるのが米国の薬学教育である。米国では2年間のプレファーマシーの後、4年間の専門課程を薬学部で学び、6年間の過程を終えるとPharm. Dが与えられる。1年間の実務実習を含む4年間のPharm. Dプログラムでは、小グループ討論による問題解決型教育や実践的なコミュニケーション教育が導入されている。

演者は、昨年アリゾナ大学薬学部でPharm. Dプログラムの教育手法について研修する機会を得た。1~3年次の大学での教育では、学生が臨床を意識し主体的に学ぶための工夫が随所に見られた。また、単に患者ケアにとどまらず、医療環境を変革していくための組織マネージメントやリーダーシップについても教育し、薬剤師のさらなる地位向上を目指した取組みがなされていた。一方、4年次におこなわれる実務実習ではプリセプター(指導薬剤師)の役割が非常に大きいと感じた。大学で学んだ知識を臨床現場でどのように応用し問題解決を図るかを学生に適切にアドバイスし、学生の能力を引き出していた。なにより、情熱を持って業務にあたっている彼らが、医療チームの中で信頼され、評価されている姿に接することが、学生に大きな影響を与えていた。

本講演では、実務実習を中心にこれらPharm. Dプログラムの概要を紹介し、6年制教育について考えてみたいと思う。

講演2 要旨

「受入れ施設と大学間における連携のあり方について」

  東北薬科大学薬剤学教室  鈴木 常義

 

平成18年度よりスタートした新課程の薬学教育も3年目を迎え、平成22年からいよいよ長期実務実習が始まる。受け入れ施設における認定実務実習指導薬剤師を養成するためのワークショップや講習会も順調に進んでいる。地区調整機構では、平成21年3月までに実習施設と学生のマッチングを終了させ、同年6月には各大学が文部科学省に報告する段取りになっている。

また、実務実習の均一な実践と質の確保を目的に「実務実習モデル・コアカリキュラム」の到達目標、学習方略が作成され、さらには評価方法の標準化が検討されており、準備体制が着々と進められている。しかしながら、このモデル・コアカリキュラムは、これから開始される実務実習の理想タイプとして作成されているものの、実際の指導経験をもとに作成されているわけではない。現在、行われている実習は、各施設とも2週間ないし1か月間の見学型実習を引き受けている状況である。そのため、将来臨床教育の現場となる病院、薬局では、これまで経験したことのない新たな実務実習に不安を抱いているようである。具体的には「モデル・コアカリキュラム」があまり浸透していない、あるいはどのようにして教育すればいいのか解からない等があり、本当に学生を受け入れて参加型の実務実習が可能であるか不安があるという意見も伺っている。

そのような問題点を解決するために宮城県病院薬剤師会、宮城県薬剤師会、東北薬科大学の3者が合同で実務実習に関わる問題を検討する委員会を設立した。手始めにモデル・コアカリキュラムに関する研修会を開催した。今後は、定期的に実習内容についての勉強会を開催する予定である。本講演では、これらの経緯を含めた現況と実務実習のスタートに向けての受入れ施設と大学との連携のあり方について述べたい。

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