薬学教育センター

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第24回 東北薬科大学生涯教育講演会

日時: 平成26年9月20日(土) 14:00~17:15
会場: 東北薬科大学講義棟 70周年記念講堂

講演1

「高速ゲノム解析からわかるヒトの突然変異・進化と疾病・薬との関係」

東北薬科大学生化学教室・教授 関 政幸

講演2

「医師の処方を理解し、適切な服薬指導をするために(10)
 -精神疾患の薬物治療の現状と処方解析-」

東北薬科大学病院精神科主任部長・病院教授 伊藤 文晃

 
参加費:無料
参加資格:特になし
 
薬剤師研修センター認定: 2単位
日本病院薬剤師会生涯研修認定:1.5単位


講演会要旨

講演1 要旨

「高速ゲノム解析からわかるヒトの突然変異・進化と疾病・薬との関係」

東北薬科大学生化学教室・教授  関 政幸

 

 2000年にヒトゲノムのDNA配列のドラフト版が、2003年に完全版が報告されたため、科学史的な観点から眺めると、2003年以降をポストゲノム時代と呼ぶことになるでしょう。この時代に入り薬剤師業務としては、様々な分子標的薬(ゲノム創薬の第1号は2001年に承認されたイマチニブとされる)の取り扱い、患者さまの個人差(一塩基多型:SNP)に基づく薬の副作用への知識などが求められるようになりました。
 
 ところで、2008年にポストゲノム時代を質的に区分する革命が起こった(後年になって科学史的にそう評価されるでしょう)ことを、ご存知でしょうか? それは、高速・廉価にゲノムのDNA配列を読み取るマシーンが普及し、「高速ゲノム解析」の時代に突入したことです。この技術が、”分子標的薬の開発”、”個人化医療の推進” を加速させていくことは間違いありません。その一方、高速ゲノム解析が可能になったからこそ解明できることが今日までに大量に報告されつつあります。
 
 本講演会では、高速ゲノム解析がもたらす 1)癌ゲノム情報、2)de novo 変異(メンデル遺伝ではなく、新たに生じた変異)による疾病原因の特定、3)哺乳類ゲノムがもたらす創薬へのヒント、4)稀少動植物ゲノムがもたらす無限の医薬資源へのアクセス、などについてわかりやすく解説します。
 
 本講演でわかっていただきたいメッセージは、「突然変異は “あなた” の身近にあるもの」であることを実感し、「高速ゲノム解析がもたらす医療の将来像」を頭に描き、「輝かしい創薬の黄金時代の到来(薬剤師も進化しなければいけない)が近い将来に実現する」ことを想像できるようになることです。

講演2 要旨

「医師の処方を理解し、適切な服薬指導をするために(10) -精神疾患の薬物治療の現状と処方解析-」

東北薬科大学病院精神科主任部長・病院教授 伊藤 文晃

 

 以前から精神科薬物治療における多剤併用療法の問題が指摘されていましたが、今回の診療報酬改定により、一定数以上の多剤併用処方では処方料などが減算されることになりました。しかし、通常の薬物治療では精神症状が改善せず、結果的に多剤大量療法となり、長期にわたって入院を続けている患者が多くいることも事実です。そのような中、治療抵抗性統合失調症に適応を持つクロザピンが、世界に遅れて日本でも使用できるようになりました。このクロザピンは、他の抗精神病薬と比べて有効性が圧倒的に高いことが知られていますが、一方で、無顆粒球症などの重篤な副作用が生じることがあります。副作用への懸念などから、クロザピンが使用できる施設はまだ限られていて、必要としている患者にきちんと処方されていないのが現状です。一方、うつ病においても、これまで言われていたほど予後が良好ではないことが知られるようになっています。うつ病の治療では、抗うつ薬の効果を増強する目的で非定型抗精神病薬を併用することがあり、注目されています。また、双極性障害(躁うつ病)の治療においても非定型抗精神病薬はよく使用されます。
 
 以上のような精神科薬物治療における最近の動向について、簡単に紹介したいと思います。
 
 処方解析では、統合失調症、双極性障害、うつ病、パニック障害、アルツハイマー型認知症の症例を提示したいと思います。

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