小島良一

＜専門分野：アメリカ文学、アメリカ研究＞

研究概要：
　Sherwood Andersonの作品分析に主眼を置いています。彼はアメリカ文学史では代表的なHerman Melville、Nathaniel Hawthorne、William Faulknerなどの陰に隠れたマイナーな作家と見なされ、彼の作家としての限界が批評家から再三指摘されてきました。長編小説の質と量を考えれば、前述の作家たちと同列に扱うことは難しいと言わざるを得ません。しかし、それまでのプロット中心のリアリズムや自然主義からモダニズムへの橋渡し的な役割を果たしたこと、また短編小説の技巧など前述のFaulknerなどにも少なからぬ影響を与えたということなどから、アメリカ文学史において重要な作家だと思われます。一般的に研究批評の対象はWinesburg, Ohioや"Death in the Woods"といった代表的作品に偏る傾向がありますが、あまり顧みられない長編小説や他の短編小説にも再評価するべき点があるのではないかと考えながら、彼の作品分析を行っています。

＜主な論文と口頭発表（1995年以降）＞

（論文）

『"Windy McPherson's Sonにおける"Truth"の探求：第４部の改訂をめぐって　東北薬科大学一般教育関係論集8（1995/3）

『Hawthorneの"The Celestial Railroad": The Pilgrim's Progressと機械文明の巡礼者たち』東北薬科大学一般教育関係論集10（1997/3）

『フォークナーと南北戦争』東北薬科大学一般教育関係論集11（1998/3）

『"My Kinsman, Major Molineux"における歴史と想像力』東北薬科大学一般教育関係論集12（1999/3）

『Hawthorneの"Roger Malvin's Burial: Reubenはなぜ息子を殺したのか』東北薬科大学一般教育関係論集13（2000/3）

『Sherwood AndersonとChicago』東北英文学会第56回大会Proceedings創刊号（2002/3）

（口頭発表）

『20世紀南部作家フォークナーと南北戦争』東北英文学会、（シンポジウムのパネリストとして口頭発表）秋田聖霊女子短期大学（1996/9/1）

『The Pilgrim's Progressと"The Celestial Railroad"』日本ナサニエル・ホーソーン協会仙台支部仙台談話会、仙台白百合女子大学（1996/11/2）

『My Kinsman, Major Molineux"における歴史と想像力』日本ナサニエル・ホーソーン協会仙台支部仙台談話会、仙台白百合女子大学（1998/3/28）

『Roger Malvin's Burial: Reuben Bourneはなぜ息子を殺したのか』日本ナサニエル・ホーソーン協会仙台支部仙台談話会、仙台白百合女子大学（1999/5/22）

『Faulknerの作品における孤独の問題−南部の白人と黒人のアイデンティティをめぐって』東北英文学会（シンポジウムのパネリストとして口頭発表）、福島大学（2000/10/8）

『Hawthorneの"Ethan Brand": 知性の罪』日本ナサニエル・ホーソーン協会仙台支部仙台談話会、仙台白百合女子大学（2001/7/28）

『Sherwood AndersonとChicago』東北英文学会（シンポジウムのパネリストとして口頭発表）、宮城教育大学（2001/9/30）

『Emma Goldmanのピューリタニズム批判』日本ナサニエル・ホーソーン協会仙台支部仙台談話会、仙台白百合女子大学（2003/2/22）

『アメリカ文学とアメリカ人の精神』日本科学者会議（JSA）宮城支部第40期第1回支部講座、アエルビル28階エル・ソーラ仙台研修室2（2004/7/31）

＜個人情報＞

生年月日：1956年1月1日

趣味：写真、散歩