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Department of Neuroscience, Faculty of Medicine, Tohoku Medical and Pharmaceutical University

研究概要RESEARCH

大脳皮質高次運動野・前頭前野による行動の認知的制御の研究

Under construction

高次脳機能に関する創発ダイナミクスの研究

脳は機械と違い、単に決められた情報処理を行うわけではありません。未知の状況に直面した時でも、何らかの方策を経験に基づきつつもその場で即興的に思い付かねばなりません。このような創造的とも言える高次脳機能の背後には、どのような神経機構があるのでしょうか?本研究室・坂本はこれまで、行動の計画を思いつく背後には、前頭前野の神経活動の創発ダイナミクスが存在することを示してきました。創発ダイナミクスとは、複雑系における自己組織化現象とも言います。一般的には、全てが乱雑な方向に向かうというエントロピー増大の法則に一見反するように、同期現象や秩序だった状態に突如移行すること(分岐現象)を指します。坂本は、これまで、行動計画を思いつく際に、1)前頭前野の神経細胞がその活動を通じて、最終目標を符号化している状態から、具体的行動目標を符号化している状態へ移行すること(Sakamoto et al., 2008)、2)その移行時期に神経細胞活動間に同期現象が見られること(Sakamoto et al.,2008)、更に、3)1)が分岐現象である証拠として、移行直前に、神経細胞活動の臨界ゆらぎが上昇すること(Sakamoto et al.,2013)を世界で初めて発見し、また、4) 3)がありうることを理論と計算機実験で実証しました(Sakamoto et al.,2013)[図]。現在は、5) 脳波の元となる信号(局所場電位 Local Field Potential, LFP)の振動現象の解析(Sakamoto et al.,2015,2020,2022)や、モデル自身がダイナミックに状態を決める機械学習/強化学習モデルを用いた高次脳機能の解明(Katakura et al., 2022; Sakamoto et al.,2022)等にも取り組んでいます。坂本は今後も、高次脳機能を実験と理論の二刀流で解明し、創造性の本質を追究します。詳細は拙著をご覧ください(坂本,2019)。

大脳皮質形成の制御機構の研究

Under construction

東北医科薬科大学医学部神経科学教室

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