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研究内容rESEARCH

新規治療薬の開発

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臨床上最良の鎮痛薬であるモルヒネには、精神依存性、身体依存性、耐性、呼吸抑制、便秘など種々の副作用が存在し、臨床上大きな問題となっている。近年当教室では、精神依存性の極めて少ない強力な鎮痛薬の開発に成功した。開発した鎮痛薬のデータを基に各種副作用の発現機構を解明すると共に、開発した鎮痛薬をプロトタイプとして、副作用の全く無い新規治療薬の開発を行っている。


μ受容体の機能解析

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モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬は、μ受容体に作用してその強力な鎮痛作用を発現する。最近の分子生物学的研究により、このμ受容体には約30種類もの多様性(スプライスバリアント)が存在する事が明らかとなった。しかし、このμ受容体各スプライスバリアントの薬理学的・生理学的特性は全く不明である。各スプライスバリアントを発現させた細胞を用いてその薬理学的特性を解明すると共に、μ受容体遺伝子各エクソンの選択的ノックダウンモデルを作製してその生理機能の解析を行っている。


疼痛伝達機構の解明

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疼痛(痛み)は、外的侵害刺激に対する生体防御反応の一つであり、生体内の様々な物質により伝達・制御されている。近年当教室では、ノシセプチン、GABA、ヒスタミン、サブスタンスP、グルタミン酸といった伝達物質を遊離する神経の連携によって疼痛が伝達・制御されていることを明らかにした。各種受容体および生体内物質のノックアウトマウスや局所的ノックダウンモデルマウスを用いて、疼痛伝達機構の詳細な解明を行っている。また、神経障害性疼痛、炎症性慢性疼痛、癌性疼痛、多発性硬化症疼痛といった難治性疼痛における疼痛伝達機構の変化を解明し、その特異的治療法の開発を試みている。


難治性掻痒発現機構の解明

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掻痒(かゆみ)は、非常に不快な感覚刺激であり、特に肝疾患や腎疾患などの内臓疾患に付随した掻痒は難治性掻痒として問題となっている。各種掻痒の動物モデルを用い、難治性掻痒を含めた掻痒の発現メカニズムを解明するとともに、オピオイド受容体ならびにヒスタミンH4受容体をターゲットとし、その特異的治療薬の開発を試みている。


難治性内臓痛に対する治療戦略

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内臓痛は臓器の炎症、圧迫や伸展などが原因で発生する痛みであるが、体性痛とは異なり痛みの所在が広範囲で部位の特定が難しく、慢性化すると痛みのコントロールがしにくい難治性の病態となる。当教室では、特に下腹部に内臓痛を伴う疾患として間質性膀胱炎モデルを用いて、下部尿路症状ならびに難治性内臓痛のメカニズムを解明するとともに、特異的治療薬の開発を試みている。


機能形態学教室

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