薬学教育センター

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第3回 東北薬科大学生涯教育講演会

日時: 平成15年11月1日(土) 13:00~16:00
会場: 東北薬科大学講義棟 701講義室

講演1

「医薬品による致命的循環器系副作用研究のトランスレーショナルリサーチ」

札幌医科大学医学部医療薬学 教授 宮本 篤 先生

講演2

「薬物適正使用と患者のQOL向上を目指したDDS研究」
       (“ナノ”レベルのサイエンスから利便性製剤まで)

昭和薬科大学薬剤学 教授 渡辺 善照 先生

 
参加費:無料
 
薬剤師研修センター認定: 2単位


講演会要旨

講演1 要旨

「医薬品による致命的循環器系副作用研究のトランスレーショナルリサーチ」

   札幌医科大学医学部附属病院薬剤部  宮本 篤

 

  医薬品による副作用発生時、薬剤師は被疑薬の確定や対処法の検討において医療を支援する重要な役割を担っている。医薬品による副作用の重篤化の回避、再発防止に対する薬剤師の役割は益々重要になってきており、これらへの対応に向けて薬剤師が医薬品の副作用に関する情報を熟知し、服薬指導等に活用することが急務となってきている。医薬品による循環器系副作用の中で最も重篤で致命的な病態をもたらす副作用の一つとして、「QT延長症候群」がある。臨床で使用されている種々の医薬品が心臓に影響を及ぼし、様々な症状や心電図変化を惹起することが報告されている。
 
 今回は、医療用医薬品について得られている最新情報について紹介するとともに、原因副作用のうち、致命的である「Torsades de Pointes (TdP)」の分子薬理学的・生理学的発現機序、基礎疾患、危険因子等の患者背景についても概説する。そして我々がアプローチしている基礎心筋細胞研究成果のヒトへの臨床応用化を進める、いわゆるトランスレーショナルリサーチ推進への取り組みの一端も紹介する。

講演2 要旨

  「薬物適正使用と患者のQOL向上を目指したDDS研究
     -“ナノ”レベルのサイエンスから利便性製剤まで-」

昭和薬科大学製剤学研究室  渡辺 善照

 

  DDSの基本概念と製剤設計は、医薬品の有効性・安全性・信頼性を高めるためにあり、(1)薬物の放出制御(controlled relaease)、(2)薬物の生体膜透過性の制御・吸収促進(absorption enhancement)、(3)薬物の標的指向(targeting)、を柱に据えて研究されている。新たなDDSには、理工学的技術の応用と薬物体内動態および薬理効果の評価など幅広い科学が必要とされる。
 
 DDSについては、すでに実用化され、医療に役立てられている製剤等も数多いが、今後、再生医療、遺伝子治療など新たな医療への応用も期待されている。科学技術的研究にとどまらず、医薬品の適正使用及び患者のQOL向上を目指した利便性製剤の開発もDDSとして重要である。
 
 今回は、下記に述べる演者らの研究事例などを紹介させていただきながら、DDSの概要を解説する。
 
1)“ナノ”オーダーのDDS(層間化合物、マイクロエマルション)
2)生理活性物質を利用した吸収促進システム
3)gene delivery systemの基礎研究
4)時間薬物治療に適用する放出制御製剤
5)利便性製剤としての直腸DDS(中空坐剤) ほか

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