理事長・学長メッセージ

MESSAGE FROM THE PRESIDENT

われら真理の扉をひらかむ

  • Prof Motoaki Takayanagi
  • 東北医科薬科大学は創立80周年を迎えました。理事長・学長 高柳 元明

本学は1939年、東北・北海道地区唯一の薬学教育機関である東北薬学専門学校として創立され、次いで1949年に東北薬科大学として開学しました。
創立について誇りとするところは、国が廃止した薬学教育機関を、確固たる教育理念のもと、私学として民間の力で再興したことです。1917年、その頃仙台にあった仙台医学専門学校(東北大学医学部の前身)の薬学科が廃止されました。以後約20年間、北日本には薬学教育機関が全く無くなり、北日本の薬学の進歩、薬業界の発展は停滞するばかりでした。ことに薬学を志す者は東京に出て学ばねばならず、経済的にも負担が大きく、その道に進むことが大変困難な時代が続いていました。こうした状況下で、仙台市で内科病院を開業していた高柳義一先生は、社会の熱い要請を受け民間の先覚者達と共に本学を創立したのです。

こうして薬系単科大学としてスタートした本学薬学部は、東北・北海道地区の中では最も歴史が古く、創立80年を超える伝統を誇っています。同窓生はすでに2万4千名を超え、全国各地で薬剤師として、また教育・研究や行政など医療に関する様々な分野で活躍しています。
また本学は、私立薬科大学として初めてとなる研究所や大学院を設置し、薬学臨床実習の場としての附属病院を時代に先駆けて取得するなど、常に薬学教育研究の先導的役割を果たしてきました。東日本大震災を契機に、東北地方における医師不足解消のために、国内で37年ぶりとなる医学部の新設が本学にみとめられたのは、本学のこれまでの実績が評価されたからに他なりません。
医学、薬学は、人間とその生命にかかわる学問であり、広い視野と豊かな人間性が求められます。また医療の現場では、医師、薬剤師等の多種多様な専門家がチームとして集まり、患者さんに寄り添った医療を行うことが求められています。本学は、実績ある薬学部と新しい医学部の連携を進め、生命の尊厳について深い理解を持った、時代と社会が求める医療人を育成します。

  • Prof Isao Ohno
  • 東北医科薬科大学は創立80周年を迎えました。学長 大野 勲

東北医科薬科大学の建学の精神「われら真理の扉をひらかむ」は、いつの時代にあっても真理の探究を掲げ、高度で専門的な能力を培うことを研究・教育の柱とする姿勢を示した言葉です。この建学の精神のもと、国内で37年ぶりに誕生した医学部、東北・北海道地区唯一の薬学教育機関として創立された歴史を有する薬学部そして両学部の臨床実習の場である大学病院が連携した教育を通じて、本学は地域社会を支える医療人や研究者など多様な人材を育成しています。
「東北の地域医療の未来を支える人材育成」を使命に開設された医学部医学科では、医学の専門的知識・技能を基盤に、東北各地の暮らしの現場で、その地域の医療の在り方を理解し、地域医療に参加しながら包括的に学ぶ特色ある地域医療教育を実施しています。卒業した1期生、2期生は、それぞれの地域で、使命感を胸に医師としての道を歩き始めました。

一方、80余年の伝統と実績に支えられた薬学部は、時代の要請に応えながら、薬剤師や薬に関わる研究者・行政関係者など、多様な人材を育成してきました。今、薬剤師には、薬学の専門知識のみならず、医療人として幅広い能力が求められています。薬学科では、医学部および大学病院と連携し、チーム医療の一員として活躍する薬剤師を養成しています。生命薬科学科では、医学部と協力しながら、薬学を基盤として生命科学の分野で活躍する人材を育成しています。
大学病院では、医学部および薬学部学生が、医師・薬剤師としての専門的な知識・技能と高度な医療を学ぶとともに、共に診療に参加することにより、チーム医療の重要性を実体験しています。
新たな感染症の出現や地球温暖化、急激に進む少子高齢化など、予測困難な時代にあって、医学、薬学の重要性が再認識されています。医学・薬学を通じて社会への貢献を志す皆様には、医学部・薬学部・大学病院が連携した本学での学びを通じて、地域社会に必要とされる医療人・研究者として羽ばたいて欲しいと願っています。