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薬学部

FACULTY OF PHARMACEUTICAL SCIENCES

Prof. Yoshimura Yuichi
薬学部長 吉村 祐一 教授

80年を超える歴史を持つ薬学部には
薬学科と生命薬科学科の2つの学科があります。
その目指すところは、地域医療に貢献できる医療人の育成です。

東日本大震災をきっかけに東北地方での医師不足がクローズアップされ、本学に医学部が設置されることになりましたが、地方で不足しているのは医師だけではありません。
薬剤師もまた、大都市圏に集中し、地方では多くの地域で薬剤師不足が指摘されています。

本学薬学部のルーツである東北薬学専門学校は、設立当時、東北・北海道地域に薬学教育機関が存在しないことを憂いた創設者・高柳義一先生ら有志の手で設立されました。以降現在に至るまでの80年を超える歴史の中で、2万4千人を超える卒業生を輩出し、その多くが東北をはじめ全国の医療現場で薬剤師として活躍してきました。
薬剤師は、「薬」を通じて患者さんの治療の手助けをします。そこには、医師、看護師、そして患者さんのご家族など多くの人が関わります。「薬」を最も良く理解しているのは薬剤師ですので、患者さんだけでなく、その他の人達にも、わかりやすく「薬」について話ができなければなりません。基礎となる生命科学や薬理学を理解しているだけでは足りず、相手にとって必要な情報を的確に伝えられるよう、高いコミュニケーションスキルも必要になります。薬学科では、3年次に医学部で行われる解剖学実習に参加する機会もあり、病院での実習だけでなく、早くから医学部生と学び、医療現場でのコミュニケーション能力を身に付けるプログラムを用意しています。薬学での学びへのきっかけは、化学が好き、生物が好き、という人も多いと思います。薬学科では、生命科学に対する知的好奇心を満たしてくれる授業も充実しています。生命科学を中心とした基礎をしっかりと固めて、その上で疾病や薬物療法に関する知識・技能を身に付けるカリキュラムとなっています。 また、平成28年に厚生労働省は、薬局が地域で果たすべき役割について「健康サポート薬局」制度を設けました。この中で薬剤師は「薬」に関する相談以外に、健康食品や介護など地域住民の健康に関する様々な相談にも応じることになっています。本学卒業生が地域の中で期待される役割を果たせるよう、セルフメディケーションや地域医療についても講義や実習の中でしっかりと学べるようになっています。

一方、本学の卒業生の中には、企業での医薬品の開発・供給といった立場で東北の医療を支えている人達も多数存在します。もちろん薬学科の卒業生にもあてはまりますが、本学の場合、4年制学科である生命薬科学科の卒業生や薬科学専攻の大学院修了者がこちらに該当します。薬学科同様、生命薬科学科においても生命科学を基礎として、疾病や医薬品について学ぶことに変わりはありませんが、医療に繋がる様々な場面で働く人材の育成を主眼としているため、その教育内容は6年制薬学科とは多少異なる点もあります。特に生命薬科学科では卒業研究を重視しており、学生は3年次後期から各研究室に配属となり、それぞれのテーマで卒業研究を行います。まだ誰も手を付けていない未知の領域を自身の力で切り開いていくことは、まさに研究の醍醐味です。この研究活動を通じて培われる問題発見・解決能力は社会人として身に付けなければならない重要なスキルのひとつであり、社会の様々な場面で必要となります。さらに研究を続けたい人には、大学院への進学の道も用意されています。

地域の人達の健康を守り、医療の現場で直接患者さんに寄り添い治療の手助けをする。
病で困っている人のもとに必要となる医薬品を届ける。
新しい治療薬の開発の手助けをする。
本学薬学部では、これらすべての分野で必要とされる人材を育成し、地域での医療活動がさらに充実したものとなるよう努力していきます。

私たちと共に学び、成長し、そして、東北だけでなく日本の地域医療を支えてください。 みなさんと、薬学部のある仙台小松島キャンパスでお会いできることを、心から楽しみにしています。

薬学を通して、人を想い、社会を見つめる。

6年制の「薬学科」と
4年制の「生命薬科学科」からなる薬学部。
今後も、広がり続けるこの領域で活躍できるよう、
高い専門性と創造性を備えた人材の育成を目指します。