医学部

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基礎系

解剖学Division of Anatomy and Cell Biology

[研究テーマ]
・哺乳動物細胞の細胞質分裂制御の分子機構
・収縮環の分子構造と収縮機構の分子的解析
・神経系における遺伝子発現解析
・哺乳類の味覚受容体の分子的同定
・脂肪酸による神経活動調節機構
・神経系における痒み伝達機構の解明
[研究概要]
動物細胞の細胞分裂 染色体(赤),微小管(緑)

動物細胞の細胞分裂 染色体(赤),微小管(緑)

 私たちは,形態学にとどまらず,分子生物学,細胞生物学,生化学などのさまざまな手法を使って,次のような生体現象の解明をめざしています.
(上条)細胞は,染色体の分離に引き続いて起こる細胞質分裂によって2つの細胞に分裂します.細胞質分裂では分離した染色体の間の細胞表層に収縮環が形成され,その収縮によって細胞がくびれて細胞が分離します.収縮環は主にアクチンとミオシンから構成されているのは古くから知られていましたが,収縮環の構造,収縮機構は謎のままです.また,収縮環は細胞質分裂の時にだけ一時的に出現する構造ですが,収縮環の形成を制御するメカニズムの多くはわかっていません.こうした細胞質分裂の課題の分子レベルでの解明をめざしています.
(石田)Transposable Element (TE)はウイルス由来の「動く遺伝子」で真核生物のゲノムに進化をもたらしたと考えられています.脳におけるtransposable element (TE)の発現について研究し,その機能を解明しています.また,哺乳類の新規の味覚受容体の同定を行っています.
(山本)脂肪酸は,近年さまざまな生体反応に関わることが明らかになっており,その制御の鍵となる分子として脂肪酸結合蛋白質(FABP)が注目されています.脳におけるFABPの機能を生体・細胞レベルで解析することによって脂肪酸が関与する記憶や情動活動などを解明し,ヒトの精神神経疾患にアプローチしています.
(直野) 中枢神経系における「痒み」の研究は、近年始まった新たな神経科学の研究分野です。特に脊髄は、皮膚からの痒み感覚を最初に受け取る中枢神経系の領域であることから、脊髄における痒み伝達経路の解明を目指します。具体的には、「痒み」と「痛み」といったそれぞれ異なる体性感覚の伝達に寄与する受容体に着目し、これらの機能的な役割について検討しています.

[主な担当科目]

発生学(1年次後期 必修 1単位)

学習のねらい
個体と器官が形成される発生過程を理解する。
在学生へのメッセージ
発生は、受精に始まり、受精卵という1個の細胞からさまざまな組織が分化し、臓器・器官が形成され個体が作られる過程である。ここでは、人体の正常な正常構造をはじめに学び、その発生過程を形態的に追うとともに、そのもととなる分子的なメカニズムについても理解を深める。あわせて、各発生過程における臨床的に重要な先天異常を学び、病態やその発生機序についての理解を深める。講義資料を中心に参考書と合わせて復習すること。

解剖学(2年次前期 必修 2単位)

学習のねらい
肉眼レベルでの器官の構造や位置を学習するとともに、組織、細胞、分子の各レベルでその機能を理解する。
在学生へのメッセージ
解剖学は生体の正常構造を研究する学問で、医学・生物学のすべての基礎となる。特に肉眼解剖学は、医学にとって最も基本的となる基盤知識である。高校までの授業では使われない、初めて聞くような単語ばかりだと思いますが、講義を進めるうちに慣れ親しんで自然とマスターしてください。

神経解剖学(2年次前期 必修 1単位)

学習のねらい
神経解剖学では構造と機能を適切な専門用語を用いて説明できることを目標とする。
在学生へのメッセージ
神経は神気の経脈という意味を持ち、杉田玄白によって考案された用語だというが、まさに言い得て妙であり、日本で案出された用語であるが広く漢字通用国に流布されている。神経系は動物に特有のものであり、知覚や運動、思考、情動、記憶などを営みうるのは神経あってのものである。痛みや違和感などの症状を自覚して患者さんが病院に訪れることも多いが、これも神経系によるところが大きい。これらのことを達成するために神経系は緻密で複雑なものとなっている。解剖学は歴史が古く、膨大な知識の集積があるので一夜漬けは不可能。その日のうちに丸暗記ではなく、理解するように努めること。また、機能を考えながら形態を観察すること。予習・復習ともに1時間程度が望ましい。

解剖学実習(2年時前期 必修 5単位)

学習のねらい
人体の構造と機能を実物に基づいて理解する。
在学生へのメッセージ
解剖実習は、ともすれば、実習書の手順に従って、教科書やアトラスの記載と実物とを照らし合わせるだけにとどまってしまいがちだが、自分の手で剖出し、目で実物をよく観察することで、構造を調べ、機能を考察する科学の目で人体を理解しよう。当日の実習手順を手引書に従って予習しておくことが望ましい。
近年、手術手技の高度化に伴い、腹腔鏡などの内視鏡や顕微鏡下で外科手術を行うことが一般的となっている。こうした手術では、器官の正常構造や立体的位置関係を把握していることがたいへん重要になる。この実習を通じて、頭の中に自分自身の人体のアトラスを作っていくつもりで学習しよう。

組織学(2年次前期 必修 1単位)

学習のねらい
組織学では顕微解剖を通して認識できる構造物を、機能と関連させ、かつ適切な専門用語を用いて説明できることを目標とする。
在学生へのメッセージ
組織学は解剖学(形態学)の重要な一分野であり、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて細胞および組織の正常な形態と機能を学習するため顕微解剖学とも言われる。
組織学は歴史が古く、膨大な知識の集積があるので一夜漬けは不可能。その日のうちに丸暗記ではなく、理解するように努めること。また、機能を考えながら形態を観察すること。予習・復習ともに1時間程度が望ましい。

組織学実習(2年次前期 必修 1単位)

学習のねらい
組織学実習では顕微鏡を自ら操作して認識できる構造物を、機能と関連させ、かつ適切な専門用語を用いて説明をすることを目標とする。
在学生へのメッセージ
本学の組織標本は基本的にヒトのものである。医学教育のために実際に献体されたものである。つまり献体していただける人がいて組織学実習は成り立っている。献体して頂いた方とそれを認めて下さったご遺族の意志に背くことがないように真摯に臨むこと。それゆえ組織学実習では実習室は道場のように考え、礼に始まり礼に終わるようにすること。しかし学生が萎縮する事が献体された方の望むところであるはずがないと信ずるので、生命の尊厳を感じつつも明るく実習に臨む事。
得意不得意はあるであろうが真摯な態度で実習に臨んでおれば、きれいなスケッチは出来なくても、きちんと評価するので前向きな姿勢で臨むこと。本実習では実際に自らが顕微鏡を使い、標本を観察出来き、組織を理解し説明出来るようになることが肝要である。組織学は歴史が古く、膨大な知識の集積があるので一夜漬けは不可能。その日のうちに丸暗記ではなく、理解するように努めること。また機能を考えながら形態を観察すること。予習・復習ともに1時間程度が望ましい。
スケッチは最終的に点数化して評価に加える。前述の通り巧いかどうかではない。スケッチの構造物に名称だけではなく説明を加えたり、組織の機能等を補足として加えるなど出来ることは沢山ある。自らのスケッチは組織学講義の試験勉強のために活用してもらいたいので、提出は組織学講義の試験の後を予定している。
また評価として口頭試問を含む面接も考えている。口頭試問の部分は各々のスケッチをもとに行う(スケッチは実習最終日時点のものでよい)。それぞれの描いたスケッチについて組織の名称の他、組織の特徴をしっかりと捉えることが出来ているかどうか等も聞くが、面接とするのは組織がどのように見えたかや顕微鏡の操作等、実習の実際に関しても聞くからである。この事からも日頃から実習をしっかりしておく事。組織学実習では自分で実際に体験することが重要と考えている。なお補講としての再面接もあり得るので1回でパス出来るよう努力してもらいたい。

基礎生物学 (1年次前期 必修 1単位)

基礎生物学実習 (1年次前期 必修 0.5単位)

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