薬学教育センター

第31回生涯教育講演会

平成28年度生涯教育プログラムの一環として、「第31回東北医科薬科大学生涯教育講演会」を開催いたしました。
多数のご参加ありがとうございました。

 

日時: 平成29年3月4日(土) 午後2:00~5:15
会場: 東北医科薬科大学講義棟(仙台市青葉区小松島4-4-1)
主催:東北医科薬科大学
共催: 東北医科薬科大学同窓会、日本薬剤師研修センター、宮城県薬剤師会、宮城県病院薬剤師会、仙台市薬剤師会
後援: 東北医科薬科大学同窓会宮城支部

講演1

「ナノ粒子の特性を活かした核医学画像診断薬の開発とセラノスティクスへの展開」

東北医科薬科大学薬学部放射薬品学教室 教授 山本 文彦

講演2

「医師の処方を理解し、適切な服薬指導をするために(14)
-神経疾患に対する薬物治療の現状と処方解析-」

東北医科薬科大学医学部 老年神経内科学教室 准教授 藤盛 寿一
東北医科薬科大学薬学部 臨床薬剤学教室 講師・東北医科薬科大学病院薬剤部 薄井 健介

 
・参加費 無料
・参加資格 特になし
 
・日薬剤師研修センター認定: 2単位
・日病薬病院薬学認定薬剤師制度(研修番号II-6:0.5単位,III-1:1単位)
・宮城県病院薬剤師会生涯研修認定:1.5単位

 


講演会要旨

講演1 要旨

「ナノ粒子の特性を活かした核医学画像診断薬の開発とセラノスティクスへの展開」

東北医科薬科大学 薬学部 放射薬品学教室 教授 山本 文彦

 

 悪性腫瘍(がん)の診療においては、できるだけ早期の段階で病巣を発見し診断を的確に行い治療につなげていくことが重要である。実用化されているがん画像診断ツールとして、糖代謝を指標とする2-deoxy-2-[18F]fluoro-D-glucose(FDG)を用いた陽電子放射断層撮影法(FDG- PET)が保険適用となっているが、FDG- PETは必ずしも万能ではなく描出を苦手とするがんもある。このため、糖代謝以外の指標でがんを検出する「ポストFDG」と称される新しい核医学画像診断薬の開発研究も盛んである。核酸代謝やアミノ酸代謝、膜脂質代謝などの指標を利用したり、がん細胞膜に特異的に発現する受容体やタンパク質などを標的としたりする開発研究が数多くみられ、その1つとして初期腫瘍における不完全な新生血管の特徴的な構造を利用してがんに集積するナノ粒子を核医学画像診断薬基材として利用する手法が期待されている。
 

 演者らが開発中の新しいナノキャリア「ラクトソーム」は、両親媒性ポリデプシペプチド(親水部:ポリサルコシン、疎水部:ポリ乳酸)が水中で自己組織化して形成される均一な高分子ミセルである。これまでの動物実験レベルでラクトソームは肝臓などの細網内皮系への集積が少なくかつ高選択的に腫瘍組織に集積し、また短半減期放射性核種標識体を用いて小動物用PETなどの腫瘍イメージングにも成功し、核医学腫瘍診断薬開発の可能性を示してきた。その一方で、複数回投与するとaccelerated blood clearance現象を示し腫瘍描画が全くできなくなってしまうなど、臨床利用を行う上で解決しなければならないいくつかの問題点も明らかとなった。
 

 本講演では、前職の京都大学と現在の東北医科薬科大で展開中の研究として、核医学診断薬としてのラクトソーム開発の経緯を中心にサマリーするとともに、治療薬としての研究展開や治療(therapy)と診断(diagnosis)を同時に行うセラノスティクスとしての可能性についても述べたい。
 

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講演2 要旨

「医師の処方を理解し、適切な服薬指導をするために(14)-神経疾患に対する薬物治療の現状と処方解析-」

東北医科薬科大学医学部 老年神経内科学教室 准教授 藤盛 寿一

 

 パーキンソン病は、頻度の高い変性疾患です。本邦では人口10万人あたり100~150人の有病率と推定されています。病歴聴取や神経診察で多くは診断可能ですが、MIBG心筋シンチ、DATスキャンなどの補助検査も利用可能となってきています。
 
 薬物療法の中心となるL-ドーパ療法は、短期間の使用では副作用も少なく、 パーキンソン症状をもっとも改善させる薬剤でありますが、長期使用により日内変動やジスキネジアを生じることがあります。このため早期パーキンソン病における治療法には、ドパミンアゴニストの使用が推奨される一方で、症例によってはドパミンアゴニストによる副作用も問題になっています。また、運動症状のみならず、認知症やうつなど非運動症状にも配慮が必要です。近年では、多くの新規薬剤が利用可能となってきており、症例によって薬剤を使い分けることができるようになってきております。
 

 本講演では、パーキンソン病の症候、診断技術の進歩、運動症状に対する薬物治療、非運動症状について御説明させていただきます。また処方解析では、早期例、進行期例などを取り上げながら、病状に合わせて、どのような薬を組み合わせて薬物療法を行っているかについて説明させていただきます。
 

<症例1>
84歳 女性
 

Rp 1) ネオドパストン配合錠L100 1回1錠(1日6錠)
コムタン錠 100mg 1回1錠(1日6錠)
1日6回 起床時、朝昼夕食後、15時+1回
Rp 2) リボトリール錠 0.5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前
Rp 3) クエン酸第一鉄Na錠 50mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝・夕食後
Rp 4) ゾピクロン錠 7.5mg 1回1錠(1日1錠)
ベルソムラ錠 15mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前
Rp 5) ミヤBM錠 1回2錠(1日6錠)
1日3回 毎食後
Rp 6) ロキソプロフェン錠 60mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後
下肢痛があるときのみ服用
Rp 7) アリセプトD錠 5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後
Rp 8) ノウリアスト錠 20mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後

 
<症例2>
71歳 女性
 

Rp 1) マイスリー錠 5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前
Rp 2) リボトリール錠 0.5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前
Rp 3) リリカ カプセル 75mg 1回2カプセル(1日2カプセル)
1日1回 朝食後
Rp 4) アーテン錠 2mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後
Rp 5) パリエット錠 10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後
Rp 6) ムコスタ錠 100mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 毎食後
Rp 7) ネオドパストン配合錠 L100 1回1錠(1日7錠)
1日7回
Rp 8) トフラニール錠 10mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 毎食後
Rp 9) マグミット錠 330mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 毎食後
Rp 10) ラクティオンパップ
1日1回 1枚ずつ貼付
Rp 11) スミルスチック3% 40g
1日1回 上肢に塗布

 

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