教養教育センター 研究室案内

Center for Liberal Arts

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物理学DIVISION OF PHYSICS

藤井 優 教授

STAFF

藤井 優 教授

業績

研究テーマ

原子核に関する実験的研究

研究概要

原子の中心にある原子核に関する実験的研究を行っています。具体的には、陽子と中性子からなる通常の原子核の中の陽子1個を、ラムダ粒子と呼ばれる粒子に変換した「ラムダハイパー原子核」を生成し、その性質について調べています。
ラムダ粒子は中性子星の深部に存在すると考えられており、ラムダハイパー原子核の性質を調べることで、間接的に中性子星の深部がどうなっているか情報を得ることができます。
研究は約100名からなる国際共同研究グループの一員として行っており、文部科学省より2018〜2022年までの期間で採択された、科学研究費補助金・新学術領域研究「宇宙観測検出器と量子ビームの出会い。新たな応用への架け橋。」の計画研究A02班「高エネルギー光子ビームで探る原子核内部と中性子星深部」の研究分担者を務めています。
2018年秋には米国バージニア州にある Jefferson 研究所 において、トリチウム(3H)の中の陽子をラムダ粒子に変換し、電荷0のラムダハイパー原子核(nnΛ)を探索する実験(JLab E12-17-003)を行い、現在データ解析に取り組んでいます。また、中性子星内部でどのようにラムダ粒子が存在しているかについての情報を得る実験(JLab E12-15-008)も採択されており、今後実験を行う予定です。

主な担当科目

物理学I

薬学部薬学科1年次前期 / 必修 / 1単位

物理学II

薬学部薬学科1年次後期 / 必修 / 1単位

物理学演習I

薬学部薬学科1年次前期 / 選択必修 / 0.5単位

物理学演習II

薬学部薬学科1年次後期 / 選択必修 / 0.5単位

基礎物理学

医学部医学科1年次前期 / 必修 / 1単位

基礎物理学実習

医学部医学科1年次前期 / 必修 / 0.5単位

Message

物理学は自然界における諸現象について、その根底にある基本的な原理や法則を見いだし理解していく学問です。その意味において、物理学は薬学・医学を学ぶ上での基盤でもあります。
そこで教育においては科学的な考え方を養ってもらうこと、および専門科目を学ぶ上での基礎的な能力を身に付けてもらうことを主眼としています。
教育上の工夫としては、単位(例: kg、m)、桁(例: mgなのかgなのか)について十分に注意することを繰り返し強調すること、また量的な常識(例:1 mgと1 gがおよそどれくらいの見かけなのか)が身に付くよう、なるべく具体例を示しています。これは、薬学・医学では単位間違い、桁間違いが重大な医療事故につながることとの関わりを念頭に置いたものです。