OB & OG
INTERVIEW 9
Igarashi Kouhei
2022年3月 医学部卒業
五十嵐 滉平 医師 Igarashi Kouhei
東北医科薬科大学病院
臨床研修医2年目
実習で学んだ
地域医療に必要なもの。
医師としての強みをつくり、
貢献していきたい。
東北医科薬科大学医学部、創生の第一期生として学び、医師国家試験を経て現在は東北医科薬科大学病院の臨床研修医として働く五十嵐さん。学生時代に学んだことと、研修医として将来を考える現在についてインタビューしました。
Q1東北医科薬科大学を知ったきっかけはなんでしたか?
自分の希望と照らし合わせて
選択できる奨学金制度。
高校時代に一緒に勉強をしていた友人から、「仙台に新しい医大ができるぞ」と聞いて、興味を持ったのがきっかけでした。
わたしは富山県出身で、東日本大震災は被災しておらずテレビでの映像を見ていただけでした。大学や東北地方について調べていく中で、震災の被害の大きさに改めて衝撃を受け、 「今からでも自分に何かできることはないだろうか」と思うようになりました。また、国公立大学は一校しか受験できないこともあり、進路についていろいろと迷ってはいました。そんな中で東北医科薬科大学の医学部新設を知り、加えて奨学金制度が充実していることを知って、「 これはチャンスかもしれない。チャレンジしてみよう」と思ったんです。
Q2どんな奨学金制度があるのでしょうか?
県ごと、または大きく
東北エリアを対象に
医療就業を後押し。
東北医科薬科大学の基本理念のひとつとして、「東北の地域医療の未来を支える人材育成」があります。そして、この理念を実現するための奨学金制度が充実していることが、医療人を目指す若い人たちの大きな助けになっていると思います。わたしが利用した東北地域医療支援修学資金は、大学を卒業後、東北6県内で10年間医療に従事することが条件となっているもの。医学部・薬学部それぞれに条件の異なる制度が複数あるので、自分の希望と照らし合わせて選択できるのもいいところだと思います。
Q3 東北医科薬科大学で学ぶ上での特徴はどんなものがありましたか?
1年生のうちから地域の病院で
現場を経験できる。
1年生のうちから地域の病院に行く機会が多いのが特徴のひとつですね。もちろん1年生ですから、実際の医療行為などには携われませんが、臨床の現場を見学し、その空気を肌で感じるだけでも大いに意義深いと思います。6年生になると、問診だけでなく検査などの助手も務めるようになっていたので、もう少し踏み込んだ観点で地域医療を考えることができるようになりました。
Q4その臨床の現場で印象に残っていることを教えてください。
震災によって失われた
病院や町の機能。
「何が必要か」を強く実感。
わたしは1年生の時に南三陸病院に行かせていただいたのですが、そこは東日本大震災ですべて流され、新設された病院。当時はまだ周囲にスーパーやコンビニもなく、患者さんたちの生活環境やメンタルも十全とは言いがたい状況でした。1年生の自分としてはただただ患者さんと接して、問診する、話を聞くことしかできなかったのですが、そうした状況の中で現場はどう動いているのか、何が必要なのか、ということを知ることができたのは大きな経験だったと思います。
Q5研修医としての勤務はいかがですか?
「できること」が増え、
自らの確実な成長を実感する日々。
研修医として一番関わっているのは救急診療。患者さんと真剣に向き合う現場であり、それだけにやりがいも大きいです。研修も2年目に入り、1年目よりもできることが増えてきて、いろいろなことに積極的に取り組めていると思います。治療の根幹に関わるようなことは、自分ひとりの判断ではできないので、先生と相談しながらになりますが、よりよい提案ができるよう成長している自負はあります。
Q6これから医師としてどのような将来を思い描いていますか?
医師としての強みを消化器内科に求めて。
研修中はいろいろな診療科を回って指導を受けるのですが、ゆくゆくは消化器内科を専門にしたい、という希望も固まりました。6年生の時の南三陸病院での実習の中で、消化器内科の先生の患者さんに対する対応や技術力の高さがすごく印象的で、「医師としての武器を持っていることが地域医療においてとても有効だ」ということに気づいたんです。そして、東北医科薬科大学病院の佐藤賢一先生や遠藤克哉先生をはじめとする消化器内科の先生方を本当に尊敬しているので、ぜひ後に続きたいと思っています。