薬学部 研究室案内

Faculty of Pharmaceutical Sciences

創薬化学系

医薬合成化学DIVISION OF SYNTHETIC MEDICINAL CHEMISTRY

STAFF

渡邉 一弘 准教授

業績

成田 紘一 講師

業績

佐藤 廣河 助手

研究テーマ

・創薬を目指した生物活性天然物の合成化学的研究
・生体機能分子の構造活性相関研究

研究概要

有機合成化学をベースに、「新しい、よりすぐれた医薬品」を開発することが私たちの研究の大きな目標です。研究対象は、がん、エイズ、インフルエンザ、免疫抑制、高脂血症、過・拒食症など、決定的な医薬品が開発されていない病気に関する領域に広がっています。
その中でも最近の抗がん剤開発研究では、「がん分子標的治療薬」がトピックスとなっており、私たちの研究室ではスピルコスタチンA、テロメスタチン、TAN-1813など、がん細胞増殖のシグナル伝達系を遮断する抗がん剤の合成研究を進めています。
私たちが化学合成した化合物は、製薬企業の研究者や生物系研究者とのコラボレーションにより、その有効性や安全性が評価されています。「画期的新薬」を開発すること、それは私たちの限りなき可能性への挑戦です。

主な担当科目

有機化学Ⅲ

薬学科2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

有機化合物の構造、物性および反応性を理解するために必要な基礎的知識を習得する。特に、芳香族化合物を中心として、有機電子論を用いて物質の化学的性質や反応性を化学構造式から予想できることを理解する。

Message

現在使用されている医薬品の大部分が有機化合物であり、将来薬剤師を目指すためには、その基本となる有機化学を十分に理解しなければなりません。薬剤師は医療職の中で唯一の科学者であることから、基礎的な有機化学の知識の積み重ねが将来のために必ず役立ちます。難しい科目ですがオリジナルプリントを活用して、できるだけ楽しく分かりやすく授業しますので、諦めずに頑張りましょう。

有機化学Ⅳ

薬学科3年次前期 / 必修 / 1単位

ねらい

本科目では薬剤師国家試験やCBTにおいて重要な内容であるカルボニル化合物に対する反応性を中心として、カルボン酸やその誘導体、さらにはアミンの性質と反応性について習得することを目的とする。

Message

有機化学Ⅳではこれまでの有機化学Ⅰ〜Ⅲの知識を活用して、カルボニル化合物やアミンに関して学習します。本科目を理解すると、医薬品の構造式からさまざまな知識を得ることができるようになります。また、薬剤師国家試験においても重要な内容を多く含みますので、確実に理解できるように努力してください。さらに医薬品の化学的性質や反応性は化学構造から推測できることが多いので、将来、有機化学の知識を活用できる素敵な薬剤師を目指すことができます。

薬品合成・天然物系実習

生命薬科学科2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

これまで学んだ有機化学の知識をもとにして、日本薬局方収載の医薬品または医薬品の中間体を実際に合成し、それらの精製方法および同定法を習得することを目的とする。

Message

この実習では日本薬局方に収載されている医薬品、特にアスピリン(アセチルサリチル酸)、アミノ安息香酸エチルおよび p-ニトロフェノール(フェナセチンの合成中間体)を実際に合成します。さらに、市販のバファリンA® 錠からアスピリンを抽出して、合成品と同等であるかの分析も行います。
有機化学の知識が重要なので、日頃の授業をしっかりと予習・復習して実習に臨みましょう。