薬学部 研究室案内

Faculty of Pharmaceutical Sciences

環境衛生学系

感染生体防御学DIVISION OF INFECTIOUS ORGANISM DEFENSE

STAFF

佐々木 雅人 准教授

業績

田中 大 助教

業績

伊藤 文恵 助手

業績

研究テーマ

代謝酵素異常と発がん・腫瘍進展機構の解明/病原性真菌の感染因子と感染機構の解析

研究概要

近年、分子標的治療薬の開発やがん関連遺伝子検査の適応などにより、がん治療成績・生存率に向上がみられているものの、わが国における悪性新生物による死亡者数は依然として最も高いです。また、がん治療時や高齢者では、免疫力の低下から易感染状態となることが疾病の増悪や他の疾病の誘発、さらには直接の死因となり得ます。事実、医療技術の発展に伴い、真菌感染症は増加傾向にあります。このような背景のもと、本研究室では“がん細胞の代謝”と“病原性真菌の病因”に着目して研究しています。
・古くからがん細胞は正常細胞とは異なる代謝を行なっていることが知られていましたが、長らくその詳細は不明でした。近年のバイオテクノロジーや解析技術の発展により、代謝変化の要因が明らかになりつつあります。その中で、当研究室では、ビタミンの一つである葉酸の代謝酵素の発現が、腫瘍組織・がん細胞において低いことを見出し、その生物学的な意義や、代謝変化機構、代謝酵素タンパク質の制御機構に着目し研究しています。本研究により、がん細胞の代謝を正常細胞の代謝にシフトさせることが可能となれば、がん細胞の増殖抑制やがんの進展の遅延を可能とする、新たな抗悪性腫瘍薬の創生が期待できます。
・真菌の細胞壁にはβ-グルカン、キチン、マンナン、ガラクトマンナン、糖タンパク質、糖脂質などが存在し、これらは感染時の生体への接着・侵入、炎症反応誘導などに深く関与します。一方、生体側では病原微生物を認識・排除するため、自然免疫系および獲得免疫系といった機構が備わっています。従って、真菌の菌体表層成分の理解を深めることは、感染成立機構の解明の一助となります。当研究室では、主に細胞壁構成分子の構造や組成分析、細胞壁構成分子の合成酵素の遺伝的・機能的欠損による影響の解析、および生体側の感染防御因子との相互作用解析など、多角的な解析を通して真菌症の発症機構、診断、および治療薬開発へとつなげていくための研究を行っています。

主な担当科目

食品衛生学・衛生化学・中毒学・栄養化学

・薬学科2年次後期 / 必須 / 1単位
・生命薬科学科2年次後期 / 必須 / 1単位
・生命薬科学科3年次前期 / 必須 / 1単位
・生命薬科学科3年次前期 / 必須 / 1単位

ねらい

栄養素は疾病の予防および回復に重要な役割を果たしている。しかし、この栄養素を含む食品は安全なものであるとは限らず、常に有害物質が混入するリスクがある。そのリスクとはどのようなものか、そのリスクを減らすためにはどのような注意が必要か理解することを目的としている。

Message

食品中の糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル等について、消化吸収されそれぞれが特定の機能を発揮することを学ぶので、生化学で学習した内容が基本になります。細菌性食中毒については微生物学、植物性食品による食中毒では生薬学と関連させながら学びます。また、食品に含まれている可能性のある食品添加物や農薬、発がん物質、有害化学物質についても学ぶので、教科書はもちろんですが、その他の資料も主体的に調べて、国民の健康と福祉の向上に関われる人物になることを意識して学習してください。

環境衛生学Ⅱ

薬学科3年次後期 / 必須 / 1単位

ねらい

薬学では疾病に関する治療法の知識は欠かせませんが、疾病の発症要因にも目を向ける必要があります。疾病発症には、遺伝的要因と環境的要因が深く関わっています。本科目では環境的要因、特に生活環境について学習し、生活環境保全がどのように健康維持に寄与するのかを学びます。

Message

初めて聞く単語や用語が多いため、予習ではあらかじめ教科書を読み、単語の意味や用語について確認を行ってください。暗記中心の項目が少なくありませんが、深い理解が要求される項目もあります。特に検査方法などは基礎化学や分析化学、機器分析学の知識が多く要求されます。これらの科目についての復習も行い、理解を深めてください。また授業後の復習は欠かさず行い、ノートや配布プリントの内容をまとめる、練習・演習問題を解くなど、記憶の定着に努めてください。そして、環境保全の重要性を理解し、それを皆さん自身が社会に発信できるような人物になれるよう努めてください。