教養教育センター 研究室案内
Center for Liberal Arts
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森本 幸子 准教授 |
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インターネット上における攻撃性の表出に関わる要因の検討
(1)健常者の被害妄想的観念に関する研究
多くの先行研究によって、健常者にも妄想に類似した観念(妄想的観念)が見られることが報告されています。その中でも私は、被害的な内容を持つ妄想的観念に注目し、被害妄想的観念の形成要因と維持要因について研究を行ってきました。
(2)認知行動療法に関する研究
認知行動療法は、近年その治療の有効性が認知され、臨床現場でも広く使用されている心理療法です。この認知行動療法と、ユニークな取り組みとして注目を集めている「浦河べてるの家」における精神疾患患者の当事者研究を取り上げ、妄想に対する認知行動療法との比較や、その効果について研究しています。
(3)多職種間連携に関する研究
病院などの機関とは異なり、学校現場でカウンセラーとして働く場合には、多職種との連携が大きな問題となることがあります。そこで学生相談機関を対象にした調査、あるいは教員やスクールカウンセラーを対象にした調査によって、他職種で協働するためには何が必要であるのかについての研究を行っています。
(4)SNSにおける攻撃性に関する研究
ここ数年で急速に広まったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)ですが、便利な反面、さまざまな問題点も指摘されています。「炎上」といわれるような極端な攻撃、ネットワーク・グループからの排除、個人情報の流出など、その例を挙げればきりがないほどです。これらのSNS上での攻撃行動がなぜ生じるのか、そしてそれを抑制する方法はあるのか、オンライン調査を用いて研究を行っています。
《研究業績》
論文
森本幸子・伊藤知之・川村有紀・菅原里江・坂本真士「アンチスティグマ活動―当事者の声を発信する意義」予防精神医学、1巻 P.92-101
(2016)
森本幸子・皆川美雪・茂木千明・神田あづさ・佐々木美恵・遠藤寛子「学校現場における連携プロセスや情報の守秘についての一考察 -教員と臨床心理士の比較」教育相談研究、52巻 P.1-10 (2015)
森本幸子「日本語版State Social Paranoia Scaleの作成と信頼性および妥当性の検討」 仙台白百合女子大学紀要、19号 P.85-90 (2014)
濱家由美子・森本幸子・大室則幸・桂雅宏・松岡洋夫・松本和紀「東北大学病院精神科SAFEクリニックでの早期介入~発症リスク状態への認知行動的アプローチを用いた支援~」思春期学、28巻 P.391-396 (2010)
森本幸子・遠藤寛子・神田あづさ・茂木千明
「学生相談機能に関する研究 (2) -学生相談における連携の在り方とその課題-」人間の発達、5号 P.55-63 (2009)
森本幸子「大学生における被害妄想的観念への対処方略について」心理学研究、78巻6号 P.607-612 (2008)
著書
森本幸子『こころを科学する臨床心理学入門』ムイスリ出版 (2019)
森本幸子『こころを科学する心理学入門』ムイスリ出版 (2019)
伊藤絵美・杉山崇・坂本真士 編『事例でわかる心理学のうまい活かし方-基礎心理学の臨床的普段づかい-』金剛出版、P.149-167 (2011)
伊藤絵美・向谷地生良 編著 『認知行動療法、べてる式。』医学書院、P.123-134 (2007)
森本幸子 『健常者の被害妄想的観念に関する実証的研究」風間書房 (2005)
生命薬学科1年次前期 / 必修 / 1単位
生命薬学科1年次後期 / 必修 / 1単位
医学科1年次前期 / 必修 / 1単位
医学科1年次前期 / 必修 / 1単位
薬学部薬学科1年次前期 / 必修 / 1単位
薬学部薬学科1年次後期 / 必修 / 0.5単位
医学部1年次前期 / 必修 / 1単位
医学部1年次後期 / 必修 / 0.5単位
人を理解するには、その人の心を理解することが必要となります。なぜなら私たちは、自分の心のフィルターを通して外の世界を理解しようとするからです。そのため、人の心に存在するさまざまな傾向や個人差を生み出す要因について理解しておくことは、多様な価値観が存在する社会における他者理解に役立つと考えられます。
そこで授業ではこれまで得られている心理学の知見を紹介するだけではなく、他者との違いを理解し、心の仕組みについて能動的に探求しようとする姿勢を促すため、心理テストの実施やグループ・ワークに取り組みます。曖昧で目には見えない心について、自ら考えることを重視した授業を展開します。