医学教育推進センター
CENTER FOR MEDICAL EDUCATION
CENTER FOR MEDICAL EDUCATION
いま、医学教育は教育の国際化及び質の保証を目指して大きな変革期を迎えています。
高齢化が進む社会において、高度化・複雑化する医療を、患者中心の視点から安全・安心に提供すること。それは医学教育において、医学の知識や技能の教授のみならず、医療提供体制としてのチーム医療の教育、さらに総合的な診療能力や患者・家族を包括的に捉える視点の育成まで、幅広くかつ総合的な教育が求められているといえます。
こうした教育を実践するには、卒業時に修得すべき学修成果、及びそのために必要とされる能力を学生に対し明示することが重要です。そしてこれらの能力を育成するためには、基礎医学や社会医学、臨床医学に加えて、人文科学や社会科学などの教養教育を段階的かつ統合的に教育するカリキュラム「学修成果基盤型教育」(Outcome-based education)を策定すると共に、確実に実施することが不可欠です。
本学では医学部開設にあたり、本学の教育理念及び本学医学部の使命、すなわち総合診療医の育成と医師の地域定着を達成するために、我が国の医学教育分野別評価基準に準拠した学修成果基盤型教育カリキュラムを作成しました。これは、上記に述べた医学教育の変革期への対応も考慮した内容となっています。
本カリキュラムを確実に実施するために設置された組織が、医学教育推進センターです。
1
センターが担当する授業科目(体験学習、演習、課題研究等)、並びに
科目横断・縦断的な教育の企画、立案及び実施
カリキュラムを効果的に実践するための重要なポイントのひとつは、関連する科目間の教授内容の横断・縦断的連続性です。卒業時に修得すべき能力は、1年次からの幾つかの科目の学修の積み重ねにより獲得されます。従って、異なる科目を担当する教員たちの教育内容に明確な連続性が担保されなければなりません。この連続性を確実にするための調整作業を担当します。また、複数の教員が担当する科目においては、学生の理解が進むように、教授内容を整理・調整する役割を担います。
2
学外施設(地域医療ネットワーク病院等)で行う体験学習の調整
本学医学部教育の特徴の一つである地域医療ネットワーク病院(東北6県、全23病院)での滞在型体験学習を各病院の特徴を活かして効果的に実施するために、きめ細かな事前・事後の打ち合わせ・調整を行います。
3
学外施設(地域医療ネットワーク病院、地域医療教育サテライトセンター等)
で行う臨床実習の企画・立案
東北各県の地域医療ネットワーク病院および地域医療教育サテライトセンターで実施される臨床実習は、地域医療教育、総合診療医教育として最も重要な実習です。6週間、地域に滞在しながら学びますので、きめ細かな事前・事後の打ち合わせのもと、実習を企画・調整します。
4
学習の支援及び相談
学生一人一人に、低学年から、きめ細やかに学習面でサポートする体制を準備します。2019年度から第3学年以上の学生が在籍する福室キャンパスだけでなく、第1・2学年の学生が学ぶ小松島キャンパスにも専任教員を配置し、低学年学生から手厚くサポートできる体制を整えました。
5
授業・実習等に関する教員及び学生による評価の集計・解析
それぞれの科目授業について、受講した学生や担当教員(学内および学外)による事後評価を実施し、アンケート等も用いて改善すべき点などの課題を抽出します。
6
教育カリキュラム、シラバスの全体的評価に基づく
教育内容及び教育方法等の改善検討
5の評価に加え、本学中長期計画や機関別評価、医学教育分野別評価を踏まえ、教育内容、教育方法及び評価等の改善策を提言します。また、センター教員は医学教育学会に所属し、定期学会等で得られた情報と本学教育を比較し、講義や実習に反映させるシステムの構築を目指しています。