大学院 医学研究科

GRADUATE SCHOOL OF MEDICINE

医学研究科 医学専攻 博士課程 4年制課程

定員:1学年 10名

学位の名称:博士(医学)Doctor of Philosophy in Medicine

Prof. Teru Kanda
医学研究科長 神田 輝 教授

大学院医学研究科は令和5年4月に開設された新しい研究科です。本学医学部は、東北地域における医師不足・医師偏在の解消を使命として平成28年4月に開設され、令和5年3月の時点で、1期、2期生を社会に送り出しました。卒業生は初期研修を終えた後、多くが東北の地域医療現場へと赴きます。東日本大震災を経験した東北地方の医療現場には、超高齢化社会と人口減少という全国の地方医療現場が直面する状況がより切迫した状況で存在しています。「地域医療」というキーワードのもとで、学部教育と連携した大学院医学研究科を設立する目的は多岐にわたります。第一に地域の医療ニーズを理解した上で、専門分野の先端的知識・技術を備えた高度専門職業人が求められています。本研究科・臨床医学領域では、先端的な研究を基盤とした新たな診断・治療法の開発に挑戦する人材を育てます。

第二に、医療提供体制の整備に貢献できる人材の必要性です。地域医療の課題解決は医師だけで成し遂げられるものではありません。社会地域医学領域がめざすのは、医師・看護師・薬剤師を含む医療スタッフ、保健・予防医学に携わる人々が協力して課題の解決にあたる地域社会の構築です。

第三に各種疾患の病態解明です。基礎医学領域では、6年制学部や修士課程での研究や地域における診療活動から見出した独自の研究課題に挑戦し、得られた研究成果を世界に発信できる医学・生命科学研究者を育てます。本研究科は、医師に加え、薬剤師、看護師、臨床工学士など様々な背景を有する人々を受け入れ、それぞれの立場で問題解決に寄与できる人材を育成し、地域社会の持続的発展に対して貢献していきます。

課程の目標、養成する人物像

地域社会における医療ニーズを理解しながら、地域課題を発見・解決し、最適な医療の提供や医療提供体制の整備を可能ならしめる医学・生命科学研究者、または高度専門職業人を育成します。

東北医科薬科大学が培ってきた教育・研究体制も活用し、高度な専門的視野を有し医学・生命科学を発展させ、持続可能な地域社会の構築に貢献できる力を養います。

医学研究科 学修の流れ

修了要件:博士課程に4年以上在学し、30単位以上の修得が必要です。 また、必要な研究指導を受けた上で博士学位論文を提出し、その審査と最終試験への合格が必要です。

共通科目

必修5科目7単位と選択必修1科目1単位以上を含み6科目8単位以上

【必修科目】
生命倫理・研究倫理概論、研究方法概論、医学統計学・医学統計演習、医学英語、地域医学総論
【選択必修科目】
地域医学各論、橋渡し研究・臨床試験各論

特論科目

主として専攻する領域の1科目2単位(主科目)と主として専攻する領域及び他の領域の1科目2単位(副科目)以上を含み2科目4単位以上

【基礎医学領域】
細胞生物学特論、組織解剖学特論、生理学特論、神経科学特論、薬理学特論、病理学特論、医化学特論、微生物学特論、免疫学特論、放射線基礎医学特論
【臨床医学領域】
循環器内科学特論、呼吸器内科学特論、消化器内科学特論、糖尿病代謝内科学特論、腎臓内分泌内科学特論、血液学特論、臨床免疫学特論、脳神経内科学特論、腫瘍内科学特論、精神科学特論、小児科学特論、肝胆膵外科学特論、消化器外科学特論、呼吸器外科学特論、乳腺・内分泌外科学特論、心臓血管外科学特論、脳神経外科学特論、皮膚科学特論、耳鼻咽喉科学特論、産婦人科学特論、泌尿器科学特論、形成外科学特論、放射線医学特論、臨床検査医学特論、免疫アレルギー病態学特論
【社会地域医学領域】
地域医療管理学特論、疫学特論、法医学特論、地域医療学特論、整形外科学特論、リハビリテーション学特論、感染症学特論、腫瘍疫学特論

演習科目

特論科目(主科目)と同一領域の1科目2単位以上を含み1科目2単位以上

【基礎医学領域】
基礎医学演習
【臨床医学領域】
臨床医学演習
【社会地域医学領域】
社会地域医学演習

特別研究科目

必修4科目16単位

【必修科目】
特別研究Ⅰ、特別研究Ⅱ、特別研究Ⅲ、特別研究Ⅳ

東北医科薬科大学大学院の
特色を生かした3つの学び

基礎医学領域

履修科目 Pickup

基礎医学演習(2単位)

基礎医学領域の各研究室で現在進行中の研究テーマを理解し、研究室が得意とする研究手法を学びます。その研究分野における先行研究や最新研究の論文抄読を行い、その中で未解明の課題を見出します。そして担当教員の助言のもと、研究計画の立案・発表に取り組みます。こうした実践的な演習を通じて、後の特別研究において自立的に研究を遂行する能力を養います。

研究分野

細胞生物学、組織解剖学、生理学、神経科学、薬理学、病理学、医化学、微生物学、免疫学、放射線基礎医学

臨床医学領域

履修科目 Pickup

臨床医学演習(2単位)

臨床医学領域において研究者および高度医療人に求められる研究能力を養います。具体的には、文献検索、管理の手法を学び、関連の領域の代表的な論文を選び、内容を理解します。未解決な課題、課題に対する解析手法を会得し、当該研究分野における研究計画を立案、遂行できる能力を取得します。

研究分野

循環器内科学、呼吸器内科学、消化器内科学、糖尿病代謝内科学、腎臓内分泌内科学、血液学、臨床免疫学、脳神経内科学、腫瘍内科学、精神科学、小児科学、肝胆膵外科学、消化器外科学、呼吸器外科学、乳腺・内分泌外科学、心臓血管外科学、脳神経外科学、皮膚科学、耳鼻咽喉科学、産婦人科学、泌尿器科学、形成外科学、放射線医学、臨床検査医学、免疫アレルギー病態学

社会地域医学領域

履修科目 Pickup

社会地域医学演習(2単位)

「地域医療管理学」「疫学」「法医学」「地域医療学」「整形外科学」「リハビリテーション学」「感染症学」「腫瘍疫学」の8分野から1つを選択し、文献検索、論文抄読を行い、研究の内容・意義について説明できるようになるとともに、当該研究分野における課題を抽出し、新たな研究立案を発表することで、研究遂行のための一連の能力を養います。

研究分野

地域医療管理学、疫学、法医学、地域医療学、整形外科学、リハビリテーション学、感染症学、腫瘍疫学

課程の特色

  1. 修業年限を超えて、一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修することができ、社会人の方が在職のまま学びやすくなるよう配慮します。(長期履修制度)
  2. 大学院設置基準第14条に規定する教育方法の特例に基づき、夜間や土曜日にも履修できるよう配慮します。(昼夜開講制度)
  3. 講義科目では、1科目あたり、3分の1まではメディア(オンタイム)による 遠隔授業を可能としています。また、授業の予習・復習の教材と本学附属図書館のオンライン利用および学内で開催される講演やセミナーの聴講など、学外からでも学べる環境を整備します。

医学研究科 医学専攻博士課程
3つのポリシー

ディプロマポリシー

本研究科において学位を取得するために習得すべき能力は以下の4点です。

  1. 【地域貢献】
    医学・生命科学研究者または高度専門職業人として、強い使命感のもと、地域社会の発展に貢献できる。
  2. 【地域医療の理解と課題発見・解決力】豊かな人間性及び高い倫理観に加え、地域社会との関わりを通じた地域医療の深い理解に基づき、医療が抱える諸問題を発見し解決できる。
  3. 【論理的思考能力・研究力】幅広い専門的知識・技能と論理的思考能力を持って、研究を遂行できる。
  4. 【知見・技能の創造力】医学・生命科学に関わる新たな知見・技能を創造できる。

カリキュラムポリシー

  1. 生命倫理及び研究倫理、研究デザインや基本的な研究方法、統計解析、英語による情報の収集と発信などの研究の基盤となる知識や能力を修得する。これらの知識や能力は、共通科目及び専門科目の特別研究科目を通じて修得する。
  2. 豊かな人間性と高い倫理観及び地域社会との関わりを通じて、地域医療の現状と課題を本質的に理解・洞察する力とその課題解決を通じて地域社会の発展に寄与する使命感を醸成する。この理解・洞察力及び使命感は、共通科目及び専門科目の特別研究科目を通じて醸成する。
  3. 高度・先進的な知識・技能を深く学び、研究の展開・考え方、研究倫理・生命倫理の順守、理論的思考力や幅広い専門的視野を身につける。これらの知識・技能等は、専門科目の特論科目と特別研究科目を通じて身につける。
  4. 質の高い研究を、他者と協力しながら、自立的に実践し論文作成及び発表に必要とされる基本的な能力(課題発見、研究計画立案、データの解析と考察、発表など)を修得する。これらの能力は、専門科目の演習科目と特別研究科目を通じて修得する。
  5. 自立的に研究を遂行・展開し、新たな知見・技能を創造できる能力を修得する。これらの能力は、専門科目の特別研究科目を通じて修得する。
  6. 上記の5つのカリキュラム・ポリシーに基づく教育を通じて、ディプロマ・ポリシーで掲げる4つの能力を身に付けているかを、試験やレポート、グループ討論・発表・質疑応答の態度や内容及び研究論文の完成度等により総合的に評価を行う。

アドミッションポリシー

本研究科の「養成する人材像」、「学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)」に基づく教育内容等を踏まえ、本研究科の入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)を以下のとおり定める。

  1. 本学の建学の精神と教育理念を理解し、医学・医療の高度で知的な素養を身につけ、主体性を持って多様な人々と協働して社会に貢献する強い意志を有する者を対象とします。
  2. 医学が人間とその生命に深く関わる学問であり、広い視野と豊かな人間性・倫理観が求められることを強く自覚している者を対象とします。
  3. 自らが目指す研究領域あるいは医療領域で高度な知識・技能を学ぶための基礎学力と英語力を有し、大学院における研究及び修練に積極的に取組む強い意志を有する者を対象とします。