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【プレスリリース】目新しいものへ興味を抱く仕組みを発見 – 脂肪酸結合タンパク質が神経の興奮と抑制のバランスを制御する –

発表のポイント

● 脂肪酸結合タンパク質注13型(FABP3)は、好奇心などの行動を調節する脳領域である前帯状皮質の抑制性神経細胞で、抑制性神経伝達物質のGABA注2を産生する能力に関与していることを発見した。
● FABP3遺伝子欠損マウスの前帯状皮質では、神経細胞の興奮と抑制のバランスが崩れ、抑制に強く傾いていた。
● FABP3遺伝子欠損マウスは新奇探索行動(目新しい物や空間へ興味を示す行動)が低下していた。
 

研究概要

東北医科薬科大学医学部解剖学教室の山本 由似(やまもと ゆい)助教と東北大学大学院医学系研究科器官解剖
学分野の大和田 祐二(おおわだ ゆうじ)教授らの研究グループは、東北大学大学院薬学研究科、山口大学大学院医学系研究科、群馬大学大学院医学系研究科との共同研究により、脂肪酸結合タンパク質3(FABP3)が、新奇探索行動(目新しい物や空間へ興味を示す行動)の調節に、重要な役割を果たしていることを明らかにしました。本研究の成果は、自閉症や統合失調症などの精神疾患における、興味の喪失に対する治療法の開発に役立つことが期待されます。
本研究成果は2018年10月19日付で国際専門誌 Journal of Neuroscience誌のオンライン版にEarly releaseとして掲載されました。
 
【用語説明】
注1. 脂肪酸結合タンパク質(Fatty Acid Binding Protein; FABP):水に不溶な脂肪酸や脂肪酸代謝物に結合する細胞内タンパク質。脂肪酸の細胞内取り込み・輸送・代謝を調節し、様々な細胞機能に関ると考えられている。脳には3種類のFABP(FABP3、FABP5およびFABP7)が存在する。FABP3遺伝子欠損によって、脳へのPUFA取り込みが減少する。
注2. GABA(γ-アミノ酪酸):脳における主要な抑制性神経伝達物質。
 

yamamoto

FABP3KOマウスは新規探索行動の異常を示す

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