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【プレスリリース】炎症反応と病原細菌除去に必須の遺伝子を発見 ~独自の炎症イメージング実験による成果~

【発表のポイント】

  • 転写因子タンパク質GATA2のヘテロ変異1マウスがサイトカイン分泌異常による炎症反応の減弱と細菌排除能の低下を示すことを発見しました。
  • 消化管穿孔モデルによる腹膜炎とそれに続く敗血症の炎症イメージングに成功しました。
  • 本研究の成果はヒトGATA2ハプロ不全2により生じる原発性免疫不全症の病態理解と治療法開発に役立つことが期待されます。

 

【概要】

 東北医科薬科大学医学部の高井 淳(たかい じゅん)助教、島田 昂志(しまだたかし)医学部6年、森口 尚(もりぐち たかし)教授(医化学教室)、同医学部の中村 正帆(なかむら ただほ)准教授(薬理学教室)の研究グループは、米国ミシガン大学との共同研究により、転写因子GATA2のヘテロ変異マウスが炎症反応減弱と細菌排除能低下を示すことを発見しました。本研究の成果はGATA2ハプロ不全により生じるヒト原発性免疫不全症がサイトカインバランスの撹乱により生じることを示唆し、GATA2やその制御下にあるサイトカインを標的とした治療法開発に役立つことが期待されます。本研究成果は令和3730日付け(米国東部標準時(夏時間): 令和30729() 11:00)で国際専門誌 iScience誌のオンライン版に掲載されました。本研究は、JSPS科研費(18K15068, 19K07388, 18H05041)、武田科学振興財団の助成を受けて行われました。

 

【論文名】

Gata2 heterozygous mutant mice exhibit reduced inflammatory responses and impaired bacterial clearance

GATA2ヘテロ変異マウスは炎症反応の減弱と細菌排除能の低下を示す)

掲載誌: iScience

DOI:https://doi.org/10.1016/j.isci.2021.102836

【著者名】

Jun Takai, Takashi Shimada, Tadaho Nakamura, James Douglas Engel and Takashi Moriguchi*

*責任著者

プレスリリース本文

 

用語説明

1. ヘテロ変異; ヒトおよびマウスでは1つの遺伝子につき父親由来と母親由来の2つが存在し、その一方のみに遺伝子変異がある状態。

2. ハプロ不全; ヘテロ変異によるタンパク質の機能障害により優性の表現型が現れる現象。

 

【問い合わせ先】

【本件に関するお問い合わせ先】

東北医科薬科大学 医学部

医化学教室 教授 森口 尚

TEL: 022-290-8850 (福室)

E-mail:moriguchi@tohoku-mpu.ac.jp

〈機関窓口〉

学校法人東北医科薬科大学 広報室

担当:金子(かねこ)、関根(せきね)

TEL:022-727-0357(直通)

FAX:022-727-2383