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国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区、理事長:五十嵐 隆)の社会医学研究部 森崎 菜穂 部長、東北大学東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門 栗山進一教授らのグループは、全国出生コホートコンソーシアム [Japan Birth Cohort Consortium (JBiCC)](環境と子どもの健康に関する北海道スタディ:北海道大学岸玲子特別招へい教授ら、東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査:東北大学栗山進一教授ら、浜松母と子の出生コホート研究:浜松医科大学土屋賢治特任教授ら、BOSHI研究:東北医科薬科大学目時弘仁教授ら、C-MACHコホート:千葉大学森千里教授ら、成育母子コホート:国立成育医療研究センター堀川玲子診療部長ら)を2022年2月に立ち上げ、国内の出生コホートに参加した28,219名の妊婦の情報を用いて、妊娠中期以降も喫煙を続けると、非喫煙者と比べて妊娠高血圧症候群のリスクが約1.2倍高くなる可能性を示しました。
欧米を中心とした研究では、喫煙は妊娠高血圧症候群のリスクを下げることが繰り返し報告されており、なぜ日本人では喫煙の影響が異なるのか、遺伝的背景の違いなども含めて、今後メカニズム解明が期待されます。
本研究成果は、8月6日に国際的な学術誌「Journal of Epidemiology」に掲載されました。
著者:Morisaki N, Obara T, Piedvache A, Kobayashi S, Miyashita C, Nishimura T, Ishikuro M, Sata F, Horikawa R, Mori C, Metoki H, Tsuchiya KJ, Kuriyama S, Kishi R.
掲載誌:Journal of Epidemiology
DOI:https://doi.org/10.2188/jea.JE20220076
日本では、多くの出生コホート研究が実施されてきています。近年、先制医療の提唱とともに「ライフステージに応じた健康課題の克服」が政府の定める「医療分野研究開発推進計画」に明記され、国や地方自治体の重要施策として取り上げられるようになってきました。
そこで、国内で実施されている出生コホートのデータの相互的・統合的な利活用を推進することを目的として、全国出生コホートコンソーシアム(JBiCC)が2022年2月に立ち上がりました。主に、参加コホートで評価指標に関する知見を共有すること、また重要な社会課題について参加コホートの統合メタ解析を実施し、オールジャパンの知見を発信することを目指して活動していす。
参加コホート(2022年7月現在):
環境と子どもの健康に関する北海道スタディ(代表:北海道大学岸玲子特別招へい教授)
東北大学三世代コホート調査(代表:東北大学栗山進一教授)
浜松母と子の出生コホート研究 (HBC Study)(代表:浜松医科大学土屋賢治特任教授)
母子健康手帳・家庭自己測定血圧に基づいた三世代(祖父母、父母、児)の血圧・環境・遺伝要因連関と生活習慣病発症に関する研究(BOSHI study)(代表:東北医科薬科大学目時弘仁教授)
胎児期に始まる子どもの健康と発達に関する調査 (C-MACH)(代表:千葉大学森千里教授)
成育母子コホート(代表:国立成育医療研究センター堀川玲子診療部長)
【JBICCについて】https://www.ncchd.go.jp/ center/activity/jbicc/index.html