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【プレスリリース】糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)に新たな可能性 ~糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)による尿路結石抑制の可能性を 日本人の大規模疫学データで検証~

【発表のポイント】

◆<疫学研究より>・・糖尿病罹患が尿路結石症増加と関連していることを示しました。糖尿病患者において各種糖尿病治療薬の中で唯一SGLT2阻害薬のみが尿路結石症の減少と関連し、他の糖尿病治療薬は尿路結石症の減少と関連していないことを示しました。さらに非糖尿病患者男性に対するSGLT2阻害薬使用が尿路結石症減少と関連していることを示しました。

◆SGLT2阻害薬は尿路結石に対する有望な治療アプローチとなる可能性があります。

 

【概要】

東北医科薬科大学医学部臨床准教授 阿南 剛(あなん ごう)(四谷メディカルキューブ泌尿器科科長)と東北医科薬科大学病院薬剤部 菊池 大輔(きくち だいすけ)副薬剤師長、東北医科薬科大学医学部統合腎不全医療寄附講座 / 東北大学大学院医学研究科 廣瀬 卓男(ひろせ たくお)助教らの研究グループは、糖尿病治療薬として使用されているSGLT2阻害薬の尿路結石抑制の可能性を日本人の大規模患者データベースを用いた疫学研究から示しました。糖尿病は尿路結石症の増加と関連していましたが、各種糖尿病治療薬と尿路結石症の関係を検討したところ、SGLT2阻害薬のみ尿路結石症減少と関連し、他の糖尿病治療薬は尿路結石症の減少と関連しないことを明らかにしました。これまでに同グループは動物・細胞を用いた基礎研究により、SGLT2阻害薬が抗炎症作用にて腎臓結石の形成を抑制することを報告してきました。本研究では、日本人のリアルワールドデータを用いて、SGLT2阻害薬による尿路結石症抑制の可能性を示しました。この研究成果は根本的治療薬のない尿路結石症の病態理解や治療法の開発に役立つことが期待され、「すべての人に健康と福祉を」のSDGsに貢献します。

本研究成果は2023年02月24日付けで国際専門誌Kidney International Reports誌のHPに掲載されました(doi: https://doi.org/10.1016/j.ekir.2023.01.034) 。

 

【論文名】

Impact of sodium-glucose cotransporter-2 inhibitors on urolithiasis
(SGLT2阻害薬の尿路結石症に対する影響)
掲載誌:Kidney International Reports

 

【著者名】

Go Anan*, Daisuke Kikuchi, Takuo Hirose, Hiroki Ito, Shingo Nakayama, Takefumi Mori
*責任著者

なお、本研究は文部科学省および日本学術振興会による科学研究費補助金、鈴木謙三記念医科学応用研究財団の助成金の支援を受けて行われたものです。

 

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