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2024年7月14日に、同窓会東京支部の第42回生涯学習研修会を実施しました。今回の受講テーマは、今、社会的にも対応が重要になっている「薬物乱用の防止に向けての薬剤師の役割」でした。薬物乱用の問題は、成人のみならず未成年者(小学生、中学生及び高校生)にまで及んでおり、医薬品の適正な使用法を勧める薬剤師の役割が極めて重要になっています。そこで、薬物乱用防止について主導的に活動されている、2名の先生に講演をお願いしました。
前半は、横浜薬科大学薬学部レギュラトリーサイエンス研究室教授の小出彰宏先生に、子供の薬物乱用に対する啓発教育等を含む「薬物乱用防止教育と薬剤師の役割」を演題としてお話いただき、後半は、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所、薬物依存研究部心理社会研究室長の嶋根卓也先生から、医学・薬学的(科学的)観点を含めて「「助けて」が言えない子どもたち-市販薬の乱用・依存のゲートキーパーとしての薬剤師」を演題として拝聴しました。お二人の先生は、薬物乱用は違法薬物使用の問題だけは無く、むしろ通常の医薬品(特に市販薬)を未成年者が乱用する、所謂「オーバードーズ問題」への対応が不可欠であり、学校等での現状と課題への薬剤師の取り組みの重要性を強調されました。また、単に規制を強化するのではなく、子供の背景にある心理的問題等を理解し、薬物乱用・依存へのゲートキーパーとして役割を薬剤師が果たすことを示唆していただきました。今回の受講には、実際に学校薬剤師としてこの課題に取り組まれている同窓生や他大学出身の薬剤師の方の参加もあり、教室が満席になり、講演後活発な質疑が行われました。社会的に薬剤師が取り組むべき重要課題の一つとして、大変に有意義な研修となり、参加者一同、演者の先生方に心より御礼申し上げます。
なお、今回のテーマ企画について東北医科薬科大学医学部精神科学教室教授の鈴木映二先生に御協力を頂きました。また、広報等について同窓会事務局にご支援をいただきました。共に感謝申し上げます。
次の第43回東京支部生涯学習研修会は2024年12月1日(日)を予定しています。詳細は後ほどお知らせします。なお、会場での受講(集合研修)は、(公財)日本薬剤師研修センターの認定単位収得も可能ですので、同窓生の皆様の参加をお待ちしています。
(同窓会東京支部長 渡邊善照(昭和48年卒)記)
注釈:写真は、研修会会場の様子です。