NEWS

LATEST NEWS

【プレスリリース】受動喫煙対策は妊娠高血圧症候群にも重要 ~社会全体でみると受動喫煙による影響は、妊婦さん自身の喫煙による影響より大きい~

【発表のポイント】

●受動喫煙に週に1-3日さらされている妊婦さんの妊娠高血圧症候群発症リスクは、受動喫煙なしに比較して18倍と有意に高かった。
●集団全体における受動喫煙の影響と本人の喫煙の影響の大きさは、それぞれ8%1.8%であり、社会全体で見た場合は受動喫煙による影響の方が大きかった。
●妊娠高血圧症候群予防の観点からは、妊婦さん自身の禁煙指導ばかりではなく、妊娠の可能がある女性が周囲にいる場合の受動喫煙対策も重要である。

【研究概要】

東北医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室 目時 弘仁(めとき ひろひと)教授らのグループは、受動喫煙にさらされている妊婦さんは妊娠高血圧症候群発症リスクが高くなること、妊婦さん全体に及ぼす受動喫煙の影響は、妊娠高血圧症候群全体の3.8%となり、妊婦さん自身の喫煙が及ぼす影響の1.8%と比較しても大きいものとなっていました。本研究は妊婦さん自身の喫煙対策ばかりではなく、妊娠の可能性がある女性が周囲にいる場合の受動喫煙対策も重要なことを示した重要な報告です。

本研究成果は、202323日午前10時(日本時間)にHypertension Researchに掲載されました。

本研究は、環境省が実施しているエコチル調査の結果を用いて行われましたが、本研究は研究者の責任によって行われているもので、政府の公的見解を示したものではありません。

【論文題目】

English Title: Secondhand smoking exposure is associated with risk of hypertensive disorders of pregnancy: the Japan Environment and Children’s Study
Authors: Kosuke Tanaka, Hidekazu Nishigori, Zen Watanabe, Kaoh Tanoue, Noriyuki Iwama, Michihiro Satoh, Takahisa Murakami, Tetsuro Hoshiai, Masatoshi Saito, Satoshi Mizuno, Kasumi Sakurai, Mami Ishikuro, Taku Obara, Nozomi Tatsuta, Ikuma Fujiwara, Shinichi Kuriyama, Takahiro Arima, Kunihiko Nakai, Nobuo Yaegashi, Hirohito Metoki, and the Japan Environment and Children’s Study Group

タイトル:「受動喫煙曝露は妊娠高血圧症候群リスクと関連する:エコチル調査」
著者名:田中宏典、西郡秀和、渡邉善、田上可桜、岩間憲之、佐藤倫広、村上任尚、星合哲郎、齋藤昌利、水野聖士、櫻井香澄、石黒真美、小原拓、龍田希、藤原幾磨、栗山進一、有馬隆博、仲井邦彦、八重樫伸生、目時弘仁、エコチル調査研究グループ

掲載誌名: Hypertension Research(電子版)
doi: 10.1038/s41440-022-01144-3

プレスリリース本文