医学部 研究室案内
Faculty of Medicine
Faculty of Medicine
古川 勝敏 教授
STAFF
古川 勝敏 教授 | |
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住友 和弘 准教授 (病院教授) | |
大原 貴裕 准教授 (病院教授) | |
菅野 厚博 准教授 (病院教授) | |
冨田 尚希 講師 (病院教授) | |
藤川 祐子 助教 | |
植田 寿里 助教 | |
石木 愛子 助教 | |
益子 茂人 助教 | |
山方 俊弘 助教 | |
山並 寛明 助手 |
❶東日本大震災後の被災者の健康状態、医療環境の調査ならびに健康増進のための介入研究
❷地域医療再生への取り組み
❸森林揮発性物質の生理作用
❹心筋の虚血再灌流障害と酸化ストレス
❺裾野の広い専門医・総合医の養成
(a) 東日本大震災で東北地方の住民は大きく傷付き、まだその復興過程にあります。医療環境においても、もともと医療資源が豊富でなかった上で多くの医療機関がその機能を失い、東北の地を離れた医療スタッフも少なくありません。そのような状況下で私たちは、被災者の健康状態、医療環境の調査を行いながら、認知症、心不全、高齢者フレイル等の問題への介入研究を進め、地域医療再生を目指していきます。
(b) 地域医療再生の方法として、身近な森林環境を活用した「地域の健康づくりと街づくり」をテーマに、森林揮発性物質の生理学的研究から社会応用まで取り組み、IT企業のメンタルヘルス対策、生活習慣病予防、認知症対策として応用を進めていきます。
(c) ウェアラブルデバイスを用いて血圧の24時間かつ数週間の継続測定を行い、得られたデータを解析し、血圧の値からその後の健康リスクへの影響についての解析を行います。また、現在存在する何種類かのウェアラブル血圧計について比較検討を行い、より良い機器の開発、普及に努めます。
(d) 単純X線写真、CT、超音波検査のデータを多角的に解析し、特に多病を持つ高齢者においての弁膜症、心不全の解析を行い、高齢者の生命予後と日常生活動作の改善に結び付けます。
(e) 各種の大脳高次機能検査を、健常者、軽度認知機能障害者、軽度の認知症患者に遂行し、いかに認知症の診断を早期に行い、かつ鑑別診断を正確に遂行するかについて解析し、より迅速かつ正確な診断システムを構築します。
(f) 肺炎で入院する高齢患者の生活背景、既往歴、併存症、検査データ等を詳細に解析し、患者の生命予後、入院期間に及ぼすリスク因子を明らかにしていきます。このことにより、肺炎患者のより良い診断、治療体制の構築を行います。
(g) 高齢者に起こり得るポリファーマシーと不適切薬剤の処方についての解析を行い、より良い高齢者の薬物治療の方策を策定します。
2年次前期 / 必修 / 1単位
地域医療に求められる行動を、自ら考え実践するために必要とされる能力(行動科学的能力、社会医学的能力、総合診療能力)を理解する。
この講義の目的は“ 地域医療マインド” を皆さんの心の中に植えることです。この科目は本学の地域医療関連教育科目すべての基礎であり、原点になります。
東北地域に求められる地域医療の「かたち」は、地域の現状、時代に応じて変化すると思われます。どのような時代や社会環境の変化にあっても必要とされる医療を提供し、健康寿命の増進に寄与する総合診療医に必要な能力の基礎を学びます。
地域医療は単に医学・医療の応用分野ではなく、その裾野はとても広く、地域の人を取り巻く医療保健福祉の制度、政治、行政、ご近所付き合いに代表される社会学的因子、地域の健康問題(公衆衛生学的因子)、地域の文化、情報科学などさまざまな学問分野を包括します。さらに単に“ 病を診る” のではなく、“病んでいる人を診る” 視点が必要とされ、そのために必要な能力としてコミュニケーション能力、チーム医療を実践するためのチームビルディングなどのノンテクニカルスキルが挙げられます。
本講義15 回は、我が国における地域医療関連分野の目次に例えることができ、単に学問パーツを寄せ集めて断片的な地域医療の知識を構築するのではなく、この講義を基礎として、その上に6年間の知識を積み上げ、現場に足を運び考える過程を通して総合診療医に必要な能力を身に付けることができると信じています。
地域を分析して実情に応じた地域医療の展開を行い、社会の変化を見極めた上でコミュニティの活性化とマネージメントができる力を養うために、医学部講義では珍しい社会疫学とコミュニティデザインを講義内容に加えました。総合診療医として活躍できるために、皆さんの心の中の “地域医療マインド” を6年かけて育てていきます。
2年次前期 / 必修 / 0.5単位
診療医として従事する地域の医療を理解するために、東北地方の医療の現状・課題を現場で学習する。
東北各県の病院に足を運ぶのは、多くの学生にとって初めての経験だと思います。各県の病院で医師をはじめとした医療スタッフが、いかに地域医療の充実のために尽力しているかを、彼らの業務や患者の反応を通じて感じ取ってください。そして東北の「地域医療」とは何かを実感し、その実態を経験、理解し、今後解決しなければならない問題点を考察してください。
2年次後期 / 必修 / 1単位
僻地を含めた地域における介護と在宅医療の基本を学び、そこで用いられる介護・医療の手法、人間・社会的な仕組み(医療計画、地域包括ケアシステム等)を知り、保健、プライマリケアから「みとり」までを含めた全人的な医療を実践するための視野を持つこと。
医師になるために学んでいる医学部生にとって、介護は必ずしも身近ではないかもしれません。しかし、病院で治療した患者がその後安定した生活を送り、そしていつか最期を迎えるためには、在宅療養、介護との連携が重要となります。
具体的な症例を提示することで、共感を持って学べるようにしていきます。とっつきにくい制度についても患者さん視点から解説し、将来医師として役立つ知識をまとめていきます。
2年次後期 / 必修 / 1単位
総合診療医として従事する地域の医療を理解するために、東北地方の介護、福祉を現場で学習する。
東北各県の介護および福祉施設に足を運ぶのは、多くの学生にとって初めての経験だと思います。各県の介護および福祉施設で医師をはじめとした医療スタッフが、いかに地域の介護および福祉の充実のために尽力しているかを、彼らの業務連携や施設入所者の反応を通じて感じ取ってください。そして東北の「介護・福祉」とは何かを実感し、その実態を経験、理解し、今後解決しなければならない問題点を考察してください。
3年次前期 / 必修 / 0.5単位
総合診療医として従事する地域の医療を理解するために、東北地方の医療の現状・課題を現場で学習する。
東北各県の医院、クリニックに足を運ぶのは、多くの学生にとって初めての経験だと思います。各県の病院で医師をはじめとした医療スタッフが、いかに地域の医療の充実のために尽力しているかを彼らの業務や患者の反応を通じて感じ取ってください。そして東北の「地域医療」とは何かを実感し、その実態を経験、理解し、今後解決しなければならない問題点を考察してください。
4年次前期 / 必修 / 1単位
(1)加齢に伴い我々の身体に生ずる変化について理解する。
(2)高齢者に生じやすい障害、疾病について学び、それらに対する治療、予防、リハビリテーションを理解する。
(3)高齢者を全人的に診察し、対応できるマインド、スキルを身に付ける。
現在、我が国は世界で最も高齢化が進んだ国となりました。小児科以外の実臨床で診る患者さんの半数以上は高齢者であることが現状です。また、高齢者の多くは多病を抱えています。各疾患をやみくもに各専門分野の医師に紹介するのではなく、それらの疾患を統合的に考え、高齢患者さんを一人の人間として包括的に診察できるスキルを身に付けてもらいたいと思います。加齢に伴い人間の身体がどう変化し、どのような障害や機能低下が生じてくるのか、さらには高齢者に多い疾患とそれに対する対応について十分に学習してください。
講義は「老年医学 系統講義テキスト 日本老年医学会編集(西村書店)」を中心に進めていきます。
1年次前期 / 必修 / 1単位
1年次後期 / 必修 / 1単位
3年次前期 / 必修 / 3単位
4年次前期 / 必修 / 2単位