医学部 研究室案内

LABORATORIES, FACULTY OF MEDICINE

基礎系

解剖学DIVISION OF ANATOMY AND CELL BIOLOGY

上条 桂樹 教授

STAFF

上条 桂樹 教授

業績

尾形 雅君 准教授

業績

山本 由似 助教

業績

研究テーマ

❶細胞質分裂の分子機構

❷腸上皮細胞間リンパ球IELの機能解析

❸脳内脂質環境と高次脳機能の関連

研究概要


動物細胞の細胞分裂 染色体(赤),微小管(緑)

私たちは形態学にとどまらず、分子生物学、細胞生物学、生化学などの法を使い、さまざまな生体現象の解明を目指しています。
(1)細胞は染色体の分離に引き続いて起こる細胞質分裂により、2つの細胞に分裂します。細胞質分裂では分離した染色体の間の細胞表層に収縮環が形成され、その収縮によって細胞がくびれて細胞が分離します。
収縮環は主にアクチンとミオシンから構成されていることは古くから知られていましたが、収縮環の構造、収縮機構は謎に包まれたままです。また、収縮環は細胞質分裂の時にだけ一時的に出現する構造ですが、収縮環の形成を制御するメカニズムの多くは分かっていません。こうした細胞質分裂の課題を、分子レベルで解明することを目指します。(上条)

(2)腸管粘膜の恒常性維持機構の破綻は、結果的に消化管疾病を引き起こします。腸管粘膜の生体防御を司る粘膜免疫の主要なエフェクター細胞である腸上皮細胞間リンパ球(IEL)を抗体刺激すると、グランザイムB含有のγδ型IELに脱顆粒応答が生じ、パーフォリン非依存的に絨毛上皮細胞にDNA断片化が誘導され、その後上皮細胞の剥離に伴う下痢が生じることを見いだしており、その機構について解析報告してきました。
腸管粘膜免疫システムにおける機能・役割については依然不明な点が多い(αβ型IELとは異なりMHC拘束性を受けない)γδ型IELの細胞傷害メカニズムの解析等、小腸粘膜におけるIELの腸管免疫や生体防御での役割の解明を目指しています。(尾形)

(3)脂肪酸は生体の恒常性の維持のために必要不可欠な栄養素で、特に神経細胞の活動や脳の発育に重要な役割を担っています。ドコサヘキサエン酸に代表される多価不飽和脂肪酸(PUFA)の多くは、食餌からの摂取に依存する必須脂肪酸です。疫学調査から、高次脳機能障害をもたらすさまざまな精神疾患において、脳内PUFAが低下していることが明らかになっています。
しかし、これらの疫学データと精神疾患の関連を結ぶ分子や制御機構は、不明な点が多く残されています。そこで、PUFAの高次脳機能に及ぼす影響と、その制御機構を解明する鍵として、脂肪酸結合蛋白質(FABP)に着目しています。脳におけるFABPの機能を生体・細胞レベルで解析することによって、PUFAが関与する記憶や情動活動などの分子機構を解明し、ヒトの精神神経疾患の病態解明にアプローチしています。(山本)

主な担当科目

発生学

1年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

個体と器官が形成される発生過程を理解する。

Message

発生は受精に始まり、受精卵という1個の細胞からさまざまな組織が分化し、臓器・器官が形成され、個体が作られるという過程のことです。ここでは初めに人体の正常な正常構造を学び、その発生過程を形態的に追うとともに、そのもととなる分子的なメカニズムについても理解を深めていきます。併せて、各発生過程における臨床的に重要な先天異常を学び、病態やその発生機序についての理解を深めます。
講義資料を中心に、参考書と合わせて復習しましょう。

解剖学

2年次前期 / 必修 / 2単位

ねらい

肉眼レベルでの器官の構造や位置を学習するとともに、組織、細胞、分子の各レベルでその機能を理解する。

Message

解剖学は生体の正常構造を研究する学問で、医学・生物学のすべての基礎となります。特に肉眼解剖学は、医学にとって最も基本的な基盤知識となります。
高校までの授業では使われない、初めて聞くような単語ばかりだと思いますが、講義を進める中で慣れ親しみ、マスターしてください。

解剖学実習

2年次前期 / 必修 / 5単位

ねらい

人体の構造と機能を実物に基づいて理解する。

Message

解剖実習は、ともすれば実習書の手順に従って、教科書やアトラスの記載と実物とを照らし合わせるだけにとどまってしまいがちです。しかし、自らの手で剖出し、目で実物をよく観察して構造を調べ、機能を考察する、「科学の目」を用いて人体を理解しましょう。当日の実習手順を、手引書に従って予習しておくことが望まれます。
近年、手術手技の高度化に伴い、腹腔鏡などの内視鏡や顕微鏡下で外科手術を行うことが一般的となっています。こうした手術では、器官の正常構造や立体的位置関係を把握していることが大変重要になります。この実習を通じて、頭の中に自分自身の人体のアトラスを作っていくつもりで学習しましょう。