医学部 研究室案内
Faculty of Medicine
Faculty of Medicine
髙橋 伸一郎 教授
❶ 急性骨髄性白血病病態の解明とそれに基づいた効果的な治療法の開発
❷ 造血細胞分化機構の解析
当教室では、急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia: AML)で高頻度に異常が認められる FLT3受容体シグナル解析、造血細胞分化に重要な転写因子PU.1の解析や、代謝調節因子などの機能解析を行うことで、白血病細胞にもたらす影響を明らかにし(図1)、白血病の病態解明を目指しています。
糖鎖研究を推進する本学分子生体膜研究所、顧建国教授研究室と共同研究を行い、糖鎖によるFLT3機能の制御についての研究も行なっています。また、白血病に対するより効果的な治療薬を見出そうとしており、その中で特に、副作用が比較的穏やかな分化誘導療法に着目しています。抗がん剤を含め様々な薬物が、分化が停止した造血細胞である白血病細胞の分化を誘導することが示されていますが、我々が特に注目しているのはシグナル伝達を阻害するキナーゼ阻害剤です。
これまでの医学部3年次配属の課題研究では、FLT3変異型細胞に対する効果的なシグナル伝達阻害剤の探索(近藤裕哉ら、FLT3変異型白血病細胞に対するCHK 阻害剤 AZD7762の高い細胞増殖抑制効果、日本臨床検査医学会東北支部総会口演、2019年7月)や、より効果的な分化誘導療法薬の同定(鈴木爽天ら、Identification of Myeloid Cell Differentiation Inducers Using a Kinase Inhibitor Library、日本血液学会口演、2021年9月)に取り組んでいます。関連のテーマで、検査部においても基礎研究を進めています(佐藤裕李ら、p38阻害剤の骨髄系分化誘導効果を促進するキナーゼ阻害剤の同定、日本検査血液学会、2022年7月発表予定)。
さらに検査部では、コロナワクチン投与後の抗体価と副反応の解析(図2)といった、より良い検査指標の解析や、希少な症例報告など(図3, 4)の臨床的な研究も実施しています。輸血部では、適正な輸血医療のための調査、症例研究や、輸血に伴う副作用の分析などを通じて、安全でより良い輸血医療を目指した活動(図5)を行っています。
3年次後期 / 必修 / 1単位
臨床検査の方法、適応と解釈を学ぶ。
臨床検査は、客観的データに基づいた病態の解析や、診断および治療方針の決定、予後の判定に重要な役割を果たしています。また、常に最新の医学進歩が導入され、現在の医学教育において重要性を増しつつあります。基礎から臨床各科目にわたり、非常に幅広くさまざまな科目と関わりがあるのも特徴です。他科目の復習や予習としても活用できるので、しっかりと学習してください。
教科書の項目順に進めていきますので、事前に予習が可能です。講義実施前に科目フォルダへ掲載するプリントにあらかじめ目を通し、十分な予習をしてください。また、まとめの問題等を適宜配布する予定ですので、それを活用しながら1時間程度をめどに復習してください。
4年次前期 / 選択必修 / 1単位
4年次前期 / 必修 / 2単位