医学部 研究室案内

Faculty of Medicine

基礎系

薬理学DIVISION OF PHARMACOLOGY

岡村 信行 教授

岡村 信行 教授

STAFF

岡村 信行 教授

業績

原田 龍一 講師

業績

直野 留美 助教

業績

研究テーマ

❶ アルツハイマー病の画像診断薬開発

❷ 全身麻酔薬作用機序の解明

❸ 痒み伝達機構の解明

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研究概要

❶ アルツハイマー病の画像診断薬開発
アルツハイマー病の早期診断や病態解明を目的とした陽電子断層撮影法(PET)用のプローブ(=放射性診断薬)の開発と評価を行っています。これまでにアルツハイマー病患者の脳内に蓄積するタウ蛋白を検出する新世代タウPETプローブ([18F]SNFT-1)、神経炎症に関与する反応性アストロサイトを画像化するPETプローブ([18F]SMBT-1)を開発し、アルツハイマー病やその他の多様な神経疾患への臨床応用を試みています。これらのPETプローブを用いた臨床研究を国内外の共同研究施設で実施し、アルツハイマー病におけるミスフォールディング蛋白の蓄積、神経炎症、神経細胞死の時間的・空間的連関を明らかにしたいと考えています。

❷ 全身麻酔薬作用機序の解明
全身麻酔薬は臨床で広く用いられていますが、その作用機序および標的タンパク質については、未だ不明な点が多く残されています。当研究室では、PETなども駆使して試験管内から生体内での反応を多階層的に解析することにより、その作用機序解明に挑んでいます。

❸ 痒み伝達機構の解明
「痒み」は「痛み」と似た体性感覚と知られていますが、近年の研究によりこれらの感覚を伝える伝達経路や寄与する分子に違いがあることから、「痒み」と「痛み」は異なる体性感覚と考えられています。また「痒み」は、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹だけでなく、慢性腎不全などの内臓疾患により生じる全身性で難治性の痒みが多く、痒み改善薬の実用化には課題が多くあります。そこで痒み病態の解明により、新たな痒み治療薬の開発に向けた基礎的研究を展開し、患者QOLの改善を目指します。

主な担当科目

薬理学

2年次後期 / 必修 / 2.5単位

ねらい

日常診療で使用されているさまざまな薬物の個体・細胞・分子レベルにおける作用機序について学び、体内動態や副作用などについての理解を深める。
本講義を通じて、個々の患者に適した薬物療法を選択するための薬理学的思考力の修得を目指す。

Message

薬理学では、薬物療法を実践するために必要な知識や論理的思考力を身につけます。学ぶべき内容は広範囲にわたるため、継続的な学習が重要となります。自己学習の補助のため、自分に合った教科書や参考書を必ず1冊購入してください。毎回の授業では、重要なポイントを把握しやすいように確認問題を配布します。また、QRコードを利用して課題を提示しますので、スマートフォンなどを用いて、積極的に回答してください。

薬理学実習

2年次後期 / 必修 / 0.5単位

ねらい

生体における薬物の作用を自らの目で観察し、生体と薬物分子との相互作用について理解を深める。また二重盲検試験を体験し、臨床研究の手法を修得する。

Message

薬理学実習は、薬物の生体に対する作用を自分の目で直接観察できる貴重な機会です。事前に実習書をよく読み、これまでの講義内容を復習することで、実習に備えてください。
以下の4つの実習を行います。
(1) PCシミュレーション実習:心機能に影響を及ぼす薬物の作用を観察します。
(2) 腸管平滑筋実習:モルモット腸管に対する薬物の作用を観察します。
(3) アスピリン実習:内服したアセチルサリチル酸の代謝および排泄を評価します。
(4) カフェイン実習:コーヒー飲用後の中枢機能の変化を科学的に検証します。

臨床薬理学

4年次前期 / 必修 / 1単位

ねらい

合理的な薬物治療を達成するために必要とされる臨床的知識や考え方を学ぶ。これまでの講義で学んださまざまな薬物に関する知識を最大限に活用し、その具体的な投与方法や副作用の回避方法、薬物動態、相互作用など薬物治療の基本を学ぶ。
また、薬物治療において配慮が必要な妊産婦、小児、高齢者、臓器障害患者における薬物投与計画の立て方を習得する。さらに臨床に必要な処方箋の書き方と服薬の基本、新規医薬品の開発プロセスや臨床試験についても学ぶ。

Message

講義を受ける前に、2年次の薬理学で学んだ内容をしっかりと復習しておきましょう。授業の最終日には、学生が医師や患者に扮し、模擬診療(ロールプレイ)を行います。ロールプレイの準備は、グループで協力して進め、事前学習にも取り組んでください。