医学部 研究室案内

Faculty of Medicine

臨床系

形成外科学DIVISION OF PLASTIC SURGERY

權太 浩一 教授

STAFF

權太 浩一 教授

業績

髙地 崇 講師

業績

舘 一史 講師

業績

丹羽 準也 助手

研究テーマ

❶糖尿病性足壊疽の病態解明

❷皮弁血行動態の解明

❸開瞼機構の老化研究

❹陳旧性顔面神経麻痺後遺症の病態解明

❺漏斗胸手術の最適化

研究概要

形成外科学教室では、高齢化時代に対応して、主に生活習慣病や老化に付随して起こる疾患の病態解明や治療法の開発・最適化を行っています。
糖尿病患者およびその予備群は国民の約12%(約1千万人)と推計され、その合併症の一つである下肢血行障害や足壊疽も治療上の重要な課題となっています。糖尿病性足壊疽において下肢救済の有力な手段である遊離皮弁術も開発から40年以上が経過しているにも関わらず、その血行動態には不明な点が残されており、これらの病態・治療手段について臨床的な観点から研究を行っています。
加齢・老化に従って体表面にもさまざまな退行性変化が起こりますが、視機能のみならず整容・顔貌にも大きく影響する眼瞼の問題も形成外科学分野では重要な臨床的課題です。特に加齢性の眼瞼下垂症は、高齢化に伴い実質的にすべての国民が罹患する疾患ですが、現在までのところ必ずしもその病態が十分に解明されているとはいえません。私たちは加齢による上眼瞼の老化メカニズムを明らかにし、できるだけ非侵襲的で効果的な治療法を開発することを目指しています。
一方、加齢・老化に直接的な関係はありませんが、顔面神経麻痺の後遺症や漏斗胸は顔面や体幹に大きな整容的・機能的な問題をもたらす疾患でありながら、その病態は極めて複雑であり、依然として未解明といえます。その結果、これら疾患の治療プロトコールも、いまだ十分に効果的なものが確立されたとはいえず、その病態解明とともに、治療体系の確立に取り組んでいます。

主な担当科目

整形外科学

3年次前期 / 必修 / 2単位

ねらい

整形外科学では、運動器系(骨・関節、靭帯、腱、骨格筋、動静脈、脊髄・末梢神経など)の正常構造および機能への理解を基盤として、主な運動器疾患の病因、病態生理、症候、診断と治療を学ぶが、形成外科学教室は、手・指を含む上肢の運動器系の内因性疾患・外傷の分野を担当する。
四肢、特に手の疾患・外傷の場合、その治療や組織の再建は、単なる病巣の除去や正常構造への復帰という方針だけでは不十分なほどの重度な病状にしばしば遭遇する。そうした時に駆使されるのが植皮、皮弁移植、マイクロサージャリーなどの形成外科的治療手法であるが、上肢や手・指の組織の損傷や欠損の病態は、これらの形成外科的治療法の選択と密接に関連しているため、その治療手法の意義を理解することが逆説的ながら翻って対象疾患そのものの病態理解につながることとなる。そのため、この分野の講義に先立ち、形成外科的治療手法についての解説を行う

Message

一般的に医師国家試験では、外科的治療法について問う問題はほとんど出題されません。それは形成外科的治療手法についても当てはまるため、植皮、皮弁移植、マイクロサージャリーについて直接問われることはないと考えてよいです。
本分野の国試対策は、極論すれば手・上肢の解剖の理解と記憶に尽きるといえます。授業に先立って、アップロードされた授業資料や手持ちの解剖学図譜をもう一度見直しておいてください。

眼科学

3年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

眼科学の講義において、形成外科学教室は眼瞼の諸疾患に対する形成手術や再建手術の解説を行い、それを通じて原疾患の病態理解につなげる。

耳鼻咽喉科学

3年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

耳鼻咽喉科学の講義において、形成外科学教室は頭頸部癌の再建手術と顔面神経麻痺の後遺症について解説する。これらを通じて、原疾患である頭頸部癌の特徴や顔面神経麻痺の病態生理を詳しく理解することを目指す。

基本的診療技能

4年次前期 / 必修 / 2単位

ねらい

本技能実習では、脊柱と四肢の主に安静時肢位と関節可動域の診察を通じて、体幹・四肢の骨格の状態を把握する技能を身に付けることを目的とする。