情報公開
INFORMATION DISCLOSURE
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本学推薦入学試験合格者については、11月下旬までに入学手続きが完了する。そのため4月の入学時までモチベーションを維持・向上する目的で、薬学科は「くすり」に関すること、生命薬科学科は「生命科学」に関することについて課題を与えレポートを提出させている。また、化学、生物学、物理学に関する平易な書籍を推薦図書として紹介している。近年、本学への入学者の多くは高校で化学を履修しているが、個人によって習得度は必ずしも十分ではなく、また、物理/物理Ⅱは約60%、生物/生物Ⅱは約40%の履修率に過ぎない。そのため薬学科、生命薬科学科の両学科では専門科目への橋渡しとして、複数の基礎教育科目や演習科目を用意している。
本学薬学科では、薬学入門演習を医療人としての薬剤師教育の入り口として捉え、薬学6年制発足時の平成18年度カリキュラムから1年次前期に必修単位として開講し、勉学へのモチベーションの維持・向上に役立てている。
平成28年度の医学部開設により、医学科1年次合同で講演会を聴講、ハンディキャップ体験を受講、SGDで共に学習し、発表会を行っている。また、薬害被害者の講演会やハンディキャップ体験を全員参加として実施している。なお、年度末には学生全員の施設見学の感想をまとめた「薬学入門演習報告書」を発行し、お世話になった各施設に配付している。
一方、生命薬科学科については、製薬会社やその工場及び研究施設・研究所を中心に令和2年度からは「大学基礎論」において「研究室体験学習」と「企業見学学習」の2本立てとしている。当初は選択科目であったが、受講者が多いことから平成24年度から必修科目として実施するため学則変更を行った。見学施設は、宮城県を中心に東北各県の製薬会社の協力を得て実施している。この科目も薬学科と同様にSGDを行いポスター発表や学内の関係者を集めプレゼンテーションを行っている。
6年制薬学科では、近年の医療技術の高度化に対応出来る質の高い薬剤師の養成を主たる目的としており、同時に、医療人として思いやりのある人間性豊かな人材育成に努めている。このような目標のために薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラムを基にカリキュラム編成を行っている。
2年次のコミュニケーション実践論(必修)では、外部講師による薬剤師の使命、地域医療、フィジカルアセスメント、多職種連携の講義を受講したのち、プロジェクト基盤型学習(PBL)でスモールグループディスカッション(SGD)とプレゼンテーションを通して、リーダーシップ、創造力、実行力のある薬剤師、さらにチーム医療、地域医療に貢献する薬剤師となるための能力を実践的に修得する。また、3年次の医療倫理入門(必修)では解剖献体提供者白菊会の講演を医学科の2年次生と一緒に聴講し、外部講師による死の臨床体験セミナーの2週にわたり受講、そして医学科2年次の解剖学実習を見学する等生命・医療に係る倫理感を身につけ、医療の担い手としての感性を養う。さらに3、4年次に配当されている選択科目の医薬品合成化学、医療経済論、生体分子化学、認定・専門薬剤師概論、救急治療・災害医療、6年次必修科目の医療倫理と患者心理などがある。これらの科目内容の一部は薬学教育モデル・コアカリキュラムおよび実務実習モデル・コアカリキュラムに含まれるが、高度で専門的内容を有し、内容はシラバスにも明示されている。また5年次では、処方解析、症例解析が配当されている。これらの科目は問題解決教育方略(PBL:Problem Based Learning)により実施されており、医療現場でのより実践的・総合的な問題解決能力を醸成し、社会で役立つ薬剤師の育成が期待できる。
一方、4年制生命薬科学科では、基礎薬学を土台に、医学・薬学の領域にまたがる生命科学に関する高度の専門知識を修得させ、社会のさまざまな分野で活躍する多様な人材を育成することを教育目的としている。そのため1年次から薬学専門科目を履修させ3年次までには選択科目と卒業研究を残し全ての科目の履修は終了する。学生の研究室への配属は3年次後期から開始され、約1年半かけて卒業研究を行い、論文を纏めることになる。その成果は、4年次の2月に公開される卒業研究発表会の場で披露される。専門選択科目としては、4年次に香粧品学、コンピューター化学、最新天然物化学、ゲノム情報概論、公衆衛生学、薬事関連法規を開講している。いずれの科目も卒業後への対応を考えて構成されている。さらに2年次に開講しているキャリア支援講座や3年次に開講しているインターンシップは学部卒業後に就職を考えている学生にとっては特に心強いものとなっている。