薬学部 研究室案内

Faculty of Pharmaceutical Sciences

創薬化学系

臨床分析化学DIVISION OF BIOANALYTICAL CHEMISTRY

藤村 務 教授

STAFF

藤村 務 教授

業績

佐藤 勝彦 准教授

業績

小松 祥子 助手

業績

研究テーマ

疾患バイオマーカーの探索方法・オームサイエンスにおけるオミクス解析

研究概要

ゲノムDNAからの転写産物の総和としてTranscriptome、存在するタンパク質の総体としてProteome、代謝産物の総和としてMetabolomeという概念があります。特に当研究室は、生体の表現型(体の状態など)に近いProteomeおよびMetabolomeを主体とした研究を精力的に行っています。ヒトが病気に罹った場合、身体は病気を反映して、血液中や尿中にさまざまな物質を量的に変化させます。この物質を疾患バイオマーカーと呼び、これらを測定することにより病気の予防や早期発見に役立てることができます。
またホルモン依存性の乳がんや前立腺がんについて、その発症メカニズムを解明し、診断法や治療薬を開発することを目指しています。男性ホルモンであるアンドロゲンや女性ホルモンであるエストロゲンなどのステロイドホルモンについて、その代謝物を含めた高感度分析法の開発とケミカルバイオロジーへの応用に関する研究を行っています。
オームサイエンスを解析する技術として、生命現象を包括的に解析・解明しようというオミクス(-omics)研究が近年盛んに行われています。 解析・測定の対象によってゲノミクス(遺伝子)、 プロテオミクス(蛋白質)、メタボロミクス(代謝物)と呼ばれており、オミクス研究基盤領域はこれらのオミクス情報を分子のネットワーク/パスウェイに結び付け、生命現象を分子レベルのシステムとして理解することを目指しています。我々はこれらの方法を用いて、新たな疾患バイオマーカーの探索と測定法の開発研究を進めています。

主な担当科目

分析化学Ⅰ

2年次前期 / 必修 / 1単位

ねらい

化学物質(医薬品を含む)をその性質に基づいて分析できるようになるために、物質の定性、定量などに必要な基本的知識を習得することを目的とする。

Message

私たちは病気の時、“くすり”を何の疑いもなく服用しますが、これは少なくとも我が国においては、“くすり”(医薬品)の表示が信頼でき、しかも医薬品の品質が均一、すなわち同じ医薬品の効果(薬効)が期待されるためです。このような“安心”を私たちに提供するには、医薬品の品質が保証されていることが必須であり、医薬品の性状および品質の適性を図るために“日本薬局方(日局)”が定められているのです。
本科目では薬剤師が医薬品の確認試験、定量法、純度試験を誤りなく行うための化学的手法による定性分析と、定量分析の基礎を学んでください。

機器分析学Ⅱ

2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

試料中に存在する物質の種類や濃度を知るために、分光分析法や分離分析法による定性・定量分析の基本的知識の習得を目的とする。

Message

「科学捜査」などにも用いられる分析機器について、その原理や測定法に関する基礎的知識を学んでください。これらの技術が、医薬品を含む化学物質の品質管理に適用されることは、我々の日常生活における安心安全につながっています。薬剤師の科学者としての側面にも注目してください。

臨床分析化学

3年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

薬学研究や臨床現場で分析技術を適切に応用するために、代表的な分析法の基本知識を習得する。

Message

分析化学Ⅰ・Ⅱおよび機器分析学Ⅰ・Ⅱの学習を背景とし、分析手法の中でも、生体試料の分離・分析など、薬学研究や臨床現場で多用される分析技術を学びます。また、試料の前処理法、免疫化学的手法、酵素的分析法、電気泳動法、クロマトグラフィー法、質量分析法、センサー、ドライケミストリーなどの原理を理解します。
薬剤師は医療現場で唯一「化学」を修めた医療者として、医師とは異なる視点で患者を見つめることができます。その視点を、ぜひ臨床現場で実践できるように学んでください。

実験実習Ⅱ

2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

代表的な物性測定や容量分析、機器分析などを通じた基本的な実験操作に関する知識と技能の習得を目的とする。

Message

高校化学でも学ぶ凝固点降下や滴定、また機器を用いる分析法など、すべての実習項目において実験結果は「数値化」されます。そこで数値化された結果は、実験操作を正確に反映したものです。得られた数値の取り扱いも含めて、実験結果を考察することを学んでください。