薬学部 研究室案内
Faculty of Pharmaceutical Sciences
Faculty of Pharmaceutical Sciences
稲森 啓一郎 教授
STAFF
稲森 啓一郎 教授 |
---|
スフィンゴ糖脂質の生理的および病態生理的役割の解明
私たちの体のすべての細胞には、細胞膜の成分としてセラミドに糖(糖鎖)が結合したスフィンゴ糖脂質が存在しています(スフィンゴ糖脂質のなかでもシアル酸を含むものはガングリオシドという)。糖鎖構造とセラミド構造の多様性から、多様な分子種が存在します。種々のスフィンゴ糖脂質は、受容体機能、細胞増殖、がん化、炎症、免疫、感染など様々な生命現象や病気に関わっています。各々のスフィンゴ糖脂質の発現は、細胞や臓器・組織によって選択的かつ特異的に制御されていて、この発現制御機構をどのように獲得したのか、また、その多様性の生物学的意義については未解明の基本的な研究課題です。
私たちは、肥満に伴う慢性炎症や種々の炎症性疾患において、スフィンゴ糖脂質の発現パターンの変化とその意義について研究を行っています。増殖因子受容体や炎症に関わる受容体等の機能・活性化におけるスフィンゴ糖脂質の量的・質的変化による制御に着目し、疾患発症や病態に関わる新たな機序を明らかにしたいと考えています。また、スフィンゴ糖脂質の生合成に関わる糖転移酵素の遺伝子変異・多型についてタンパク質レベルで機能解析を行い、病態との関連について調べています。
薬学科3年次前期 / 必修 / 1単位
サイトカイン、増殖因子、ケモカイン、オータコイドの生理作用を、細胞内情報伝達の観点から理解する。また、糖代謝異常に基づく生活習慣病発症について理解することを目的とする。
1、2年次の生化学で学んできた基礎知識をもとに、飽食や飢餓状態、炎症状態などにおける人体の生化学反応がどのようにダイナミックに変化するのかを、統合的に理解していきます。事前にダウンロードできる講義資料と教科書を使って予習をしておいてください。
薬学科4年次後期 / 必修 / 1単位
組換え体医薬品、遺伝子治療、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた移植治療等の特性を理解し、それらに関する基本的な知識を修得することを目的とする。
この科目では、今後も著しい発展と医療への応用が進むと考えられるバイオ医薬品や再生医療などについて学習していきます。これまで皆さんが生化学の各講義で学んできた内容を基礎としますので、十分に復習しておいてください。また、事前にダウンロードできる講義資料と教科書を使って予習をしておいてください。