糖鎖構造生物学|研究室案内【薬学部】|薬学部|東北医科薬科大学

薬学部 研究室案内

Faculty of Pharmaceutical Sciences

生命科学系

糖鎖構造生物学Structural Glycobiology

山口 芳樹 教授

STAFF

山口 芳樹 教授

業績

真鍋 法義 講師

業績

佐々木 詩歩 助手

業績

研究テーマ

糖鎖構造多様性の生物学的意義の探求

研究概要

生体分子の一種である糖鎖を対象とし、物理化学的な手法を用いて構造−機能相関の解明を目指しています。
糖鎖の生合成は鋳型に直接支配されておらず、通常はさまざまな化学構造の集合体となっていることが特徴です。しかしながら、この不均一性(多様性)にどのような意味があるのかは分かっていません。一方で、特定のタンパク質において糖鎖の構造が厳密に制御されている場合も存在します。
この“曖昧さ”と“厳密さ”を兼ね備えた糖鎖は、バランスをコントロールしながら、その多様性を生命システムにおいて巧みに利用しているものと考えられます。その仕組みを解明することが、糖鎖研究の大きな魅力の一つです。さまざまな生命現象、例えば脳の高次機能や免疫システムを糖鎖の特徴である複雑性・多様性の視点から捉えることが重要になり、既存のデータや常識にとらわれない新しい発想が道を拓くものと考えています。
多様な構造を持つ糖鎖の情報を解読するためには糖鎖を対象とした研究のみならず、糖鎖を識別して結合するレクチン受容体の研究もまた、車の両輪のように重要になります。物理化学的な手法、特に弱い相互作用の検出を得意とするNMR法を最大限に活用して、情報分子としての糖鎖の役割と糖鎖受容体のシグナル伝達の機構を原子レベルで解明していきます。
糖鎖受容体の活性化・阻害のシグナリング機構を物理化学的に理解し、糖鎖受容体と結合する薬物の合理的デザイン・高機能化を目指します。

主な担当科目

基礎物理化学Ⅰ

1年次前期 / 必修 / 1単位

ねらい

原子・分子中の電子の状態について、量子力学に基づいた正しい描像を持った上で、化学結合の成り立ちや分子の形や性質、分子と電磁場の相互作用などについて説明できるようになることを目指します。また、物質の変化の様子を理解するために必要な化学反応速度論について、基礎的な知識と技能を習得します。

Message

「量子力学」は原子や分子のミクロな世界を取り扱う学問であり、古典力学とは区別されるものです。エレガントな体系として成立している古典力学に加えてなぜ量子力学が必要なのか、量子力学は古典力学とどう異なるのかを学びます。本授業はなるべく数式を使わずに、考え方を重視します。授業の後半は化学反応の速度を取り扱う「反応速度論」についての基礎を学びます。
予習・復習を行い、疑問点の解決にはオフィスアワーを積極的に活用してください。

応用物理化学

2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

物質を構成する原子・分子の構造に関する基本的事項を修得します。また、物質の変化の様子を理解するために必要な、反応速度および溶液の性質に関する基本的事項を修得します。

Message

応用物理化学は、基礎物理化学Ⅰや基礎物理化学Ⅱを基礎とします。分析化学や機器分析学につながる部分もあります。そのため、基礎物理化学の該当範囲を復習しておいてください。
また、練習問題を配布プリントに掲載しているので、練習問題を解くことで理解を深めてください。

実験実習Ⅱ

2年次後期 / 必修 / 1単位

ねらい

医薬品を含む化学物質および生体成分の分析の基礎を理解するために、代表的な物性測定や容量分析、機器分析などを通じて、基本的実験操作に関する知識と技能を習得します。

Message

実習に臨む前に、その日に行う実習項目についてテキストを熟読しておいてください。また、関連した教科書なども参照して実験の目的を十分に理解し、周到な準備をして実習に臨んでください。