薬物治療学|研究室案内【薬学部】|薬学部|東北医科薬科大学

薬学部 研究室案内

Faculty of Pharmaceutical Sciences

臨床薬剤学系

薬物治療学DIVISION OF CLINICAL PHARMACOTHERAPEUTICS

原 明義 教授

STAFF

原 明義 教授

業績

菅野 秀一 准教授

業績

蓬田 伸 准教授

研究テーマ

抗がん剤による心血管毒性の発現機構と防御の解明、がんに対する新しい薬物療法の開発

研究概要

わが国では、がんと心疾患が死因別死亡率の1位・2位を占めており、これらの疾患に対する薬物療法は極めて重要な治療戦略です。当教室では、有効性・安全性の高いがん化学療法や心筋保護薬の開発を目指して、以下のテーマを中心に研究活動を進めています。
❶抗がん剤による心血管毒性の発現機構と防御に関する研究:近年、がん治療の目覚ましい進歩に伴い、がんの寛解率や治癒率が向上しています。その一方で、抗がん剤による臓器毒性や合併症が大きな問題になっています。特に心血管障害は、がん化学療法の中断を余儀なくされるだけでなく、がんサバイバーの生命予後やQOL(生活の質)の低下を招きます。
そこで動物個体や培養細胞株を用いて、抗がん剤による心血管毒性の発現や制御に関与する体内機構を解明するとともに、新しい心筋保護薬を探索するなど、安全ながん化学療法の施行を目的とした基礎研究を進めています。
❷がんの予後を左右する因子として、転移性と薬剤耐性が挙げられます。それらに対するメカニズムの解明が検討されていますが、十分に臨床応用されていないのが実情です。
私たちは薬剤耐性に関わるP-糖タンパク質の発現には、同じ抗がん剤を処置しても発現の時期と量に違いがあることを見つけました。そこでP-糖タンパク質の発現には、速さと量を規定する因子の存在が考えられることから、これら因子を生化学的手法や免疫学的手法を用いて同定し、そのメカニズムを解明して、臨床応用につなげられるよう研究を行っています。
❸抗がん剤による細胞内シグナル伝達機構の解明:多くの抗がん剤は、アポトーシス(プログラム細胞死)やオートファジー(自食作用)を誘導することによって抗腫瘍活性を現します。さらに同様の機序によって、抗腫瘍効果を示す天然の細胞毒性誘発物質も存在します。そこで抗がん剤や細胞毒性誘発物質により生じるアポトーシスやオートファジーに、どのような細胞内シグナル伝達機構が重要な役割を果たすかの解明を目指しています。

主な担当科目

薬物療法学Ⅰ~Ⅴ

3年次後期~4年次後期 / 必修 / 各1単位

ねらい

医薬品を疾病の病態に基づいて合理的、有効かつ安全に使用するために、代表的な疾患の薬物療法に必要な薬物の選択と使用上の基本的知識を習得する。

Message

この科目では病態解析学や薬理学、薬物動態学などの基本知識を基盤として、有効性と安全性の高い薬物療法の基本を学びます。つまり年齢や合併症、危険因子の有無といったさまざまな患者情報とともに、薬物の特徴や副作用などを考慮して、それぞれの治療薬がどのような患者に適しており、どのような患者に不適切かを総合的に判断する能力を身に付けることが履修の目的です。
基本知識を理解した上で授業に臨むことはもちろん、本科目は覚えるべき内容が多いので、日頃から十分な予習・復習を心掛けてください。

実務模擬実習

4年次後期 / 必修 / 2単位

ねらい

卒業後、医療に参画できるようになるために、病院実務実習・薬局実務実習に先立ち、大学内で調剤および製剤、服薬指導などの薬剤師業務に必要な基本的知識、技能、態度を修得する。

Message

この実習では病院や薬局における薬剤師業務に必要な基本的知識、技能、態度を身に付けます。その内容は「計数・計量調剤」、「注射剤の無菌調製」、「処方監査」、「情報の収集・提供」、「調剤監査、持参薬チェック」、「患者応対」、「フィジカルアセスメント」など多岐にわたります。
さらに、身だしなみや挨拶、実習への取り組み姿勢なども重視されます。関連した講義の復習を十分に行った上で、真摯な態度で実習に臨んでください。