薬学部 研究室案内
Faculty of Pharmaceutical Sciences
Faculty of Pharmaceutical Sciences
❶薬物治療の有効性・安全性評価
❷医薬品安定性の科学的解析
❸薬学生・薬剤師に対する新規教育手法の構築
❶薬物治療の有効性、安全性に関する研究
医薬品が適正に使用されるためには、医療現場での有効性、安全性評価が重要となります。データベースを利用した未知の副作用情報の検出、治療薬の血中濃度に基づく安全性評価、副作用軽減のための支持療法の開発などを行っています。
❷医薬品安定性の科学的解析と投与設計
在宅をはじめとした医療現場においては、輸液製剤に他の治療薬を混合して保存することもありますが、その際の医薬品の安定性を確かめることが必要です。具体的には、透析液に対して抗菌薬を混合した際の抗菌薬の濃度や、抗悪性腫瘍薬の希釈後の光化学的安定性をHPLC(液体高速クロマトグラフィー)にて測定し、有効性を評価しています。
❸薬学生、薬剤師に対する新規教育手法の構築に関する研究
医療系学生の教育に対して積極的に支援するために、新規教育手法の構築を目指しています。具体的には平成29年度からの薬学部学生実習では他大学看護学部および本大学病院と協同して、薬学生および看護学生に対する医療現場での多職種連携教育(IPE:Inter Professional Education)に取り組んでいます。
さらに高度多様化する薬剤師業務の変化に対応できる薬剤師育成のために、科学的視野に立ち臨床現場で薬物療法をリードできる薬剤師の教育方法を研究しています。
4年次前期 / 必修 / 1単位
医療現場における「医療チーム」の中での薬剤師の役割、倫理および他職種との連携方法を修得する。
薬剤師の業務を主に臨床の視点から解説します。5年生の病院実務実習を担当している立場から、実習で必要となる知識や情報を伝えるため、実習に行く前には授業の内容を復習することを勧めます。また、リアルタイムで臨床現場の情報や海外の薬剤師業務についての情報を提示しますので、これからの薬剤師に求められる責務を考察してほしいと思います。
4年次前期 / 必修 / 1単位
医薬品使用において、患者および医療従事者が被る危険を回避して適正使用できるよう、危険因子と医療事故・過誤対策立案、および医薬品の管理と使用時の注意点に関する基本的知識を習得する。
薬剤師は安全、効果的、適切、効率的な薬物療法を提供するにあたり重要な役割を担っています。薬剤師の業務が人命に関わる仕事であることを認識し、医療において薬の使用を含めたさまざまな安全を守る責任があることを感じ取ってほしいと思います。
薬学専攻 / 博士課程1年次前期 / 必修 / 5単位
医療チームの一員として薬物療法に従事しながら、疾患ガイドラインや医薬品情報等を理解して患者の病態、病状を的確に把握する。また、その上で他の医療職者と効果的に協働できるよう、薬学研究ならびに臨床業務における課題の提起と、それらを考察できる能力を身に付ける。
この研修では、学部教育により培った薬剤師としての素養をもとに、患者情報を医薬品情報とともに科学的かつ統合的に活用することにより、高度・専門的な医療を提供するための知識、技術、態度を系統的に修得することを目指します。
この医療現場での問題発見・解決型の実践的な学修により、疾病やその薬物治療を起点とした臨床課題を明確にし、薬学的に解決するための研究に活かすことができます。