生涯教育講演会・研修会
LECTURES
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日時: 平成24年6月23日(土) 14:00~17:00
会場: 東北薬科大学講義棟 70周年記念講堂
テーマ: 薬学教育の充実に向けて
「薬学教育へのPBLチュートリアル導入の検証」
東北薬科大学薬学教育センター長 教授 東 裕
「薬剤師の想い(GIO)を伝える実務実習」
~薬剤師の背中を見て学生は育つ~
日本薬剤師会実務実習指導体制整備検討会委員長 高橋 寛
「薬学教育へのPBLチュートリアル導入の検証」
東北薬科大学薬学教育センター 東 裕
新しい薬学教育制度で学んだ薬剤師が医療現場で活躍する時が来ました。新旧の課程で学んだ薬剤師が一丸となって医療業務を効果的に遂行するためには、お互いをよく理解することが大切です。新しい薬学教育の大きな特徴は、長期実務実習とPBL(Problem Based Learning:問題基盤型学習、以下PBLと略す)チュートリアルに代表される問題解決型学習と言えます。長期実務実習については、実際に病院や薬局で実習生に接したり、また指導したりしてその教育目的や内容についてある程度理解されていると思いますが、PBLチュートリアルには馴染みのない方がおられるかもしれません。PBLチュートリアルとは、問題基盤型学習を少人数でチューターと呼ばれる学習の支援者とともに行う学習方法であり、医学教育においては既に当たり前の学習形態として多くの科目に取り入れられています。しかしながら、薬学教育への本格的な導入は新課程からと言えます。
本学では、5年次の連続した10週間をPBLチュートリアルに充てています。その目的は、①既得した知識と技能の確認 ②コミュニケーション能力の育成 ③プレゼンテーション能力の育成 ④協調性の育成 ⑤情報収集能力の育成です。実際のPBLチュートリアルは色々な関連分野の学習ポイント(気付き)を盛り込んだシナリオを用いて、グループワークを通じて学生の問題解決能力を育成するものであります。その成果は学生の態度にも大きな変化をもたらしています。
本学がPBLチュートリアルを実施して2年が過ぎ、PBLチュートリアルによる素晴らしい成果と共に、様々な問題点も見えてきました。これらの成果や問題点を現場の薬剤師の方々と共有することは、薬剤師教育の更なる充実に繋がるものと確信します。
「薬剤師の想い(GIO)を伝える実務実習 -薬剤師の背中を見て学生は育つ-」
日本薬剤師会実務実習指導体制整備検討会委員長
(株)サノ・ファーマシー 高橋 寛
6年制実務実習は3年目を迎えています。そして今年は実務実習を終えた薬学6年制卒の第一期生がこの春から社会人として我々の仲間入りをしています。学生を送り出す大学側と学生を受け入れる実習施設側の事前の準備と連携もあり、実務実習は大きなトラブルもなく進んでいます。
日本薬剤師会では、大学や実習受け入れ薬局を対象に実務実習のトラブル等に関するアンケートを行いました。トラブルの発生件数はそれほど多くはありませんでしたが、その中に実務実習を終えた学生の声も聞こえてきています。
また、薬学会は全国の実務実習を終えた学生に集まってもらい大学、指導薬剤師、学生に伝えたいことというワークショップを行いました(薬学フォーラム)。その中で学生たちは自分たちが経験したことをもとに実務実習はこうあって欲しいという提言をしています。今回はそれらを踏まえ指導薬剤師に伝えたいことをお話させていただきます。
1.指導薬剤師はSBOを教えるのではなく、SBOで教える
2.何を教えたが重要ではなく、学生が何をできるようになったかが重要
3.学生は実習先で自分が将来なりたい目標を見つける