TMPU ACTIVITIES 6

卒業生と共に医療の明日を創る
〈医学部卒業生交流支援センター〉

医師を目指す日々も、医師として奮闘する日々も、ずっと支え続けます

  • 医学部

    河合 佳子 教授 KAWAI Yoshiko

    医学部卒業生交流支援センター長

「医学部卒業生交流支援センター」は、大学と卒業生が一体となり医療に携わる皆さんを支えることを目的として設置されました。医学部が2016年に設立され、毎年多くの卒業生が輩出されていきます。新設医学部の卒業生ですので、同窓生の少なさや不慣れな地域での勤務に困ることも出てくるかと思います。そんな時の相談先として、また在学中も卒業後のことなど卒業生に聞いてみたいことはたくさんあるはず。当センターは、卒業生、在学生、大学の三者間交流により、貴重な経験を仲間たちや後輩たちに伝え、医師としての成長をサポートすることを目指しています。

この春卒業の二期生ふたりを交え、新設医学部で過ごした6年間のこと、互いに支えあうことの大切さ、医学部卒業生交流支援センターに期待することなどを語っていただきました。

  • 医学部 6年

    吉村 拓人 さん YOSHIMURA Takuto

  • 医学部 6年

    古川 治奈 さん FURUKAWA Haruna

河合おふたりは二期生ということで、まさに医学部の創成期を担った方々になるわけですが、やはり大変だな、と感じることもありましたか?

古川学年が進んでからのことや、卒業後のこととか、気になることを先輩に聞いても、「私達も知らないんだよね」とか「まだ決まってないんだよね」とかで、「ああ、どうしよう」と思ったことはありました。

吉村歴史がないので、試験の過去問の蓄積などもなかったですし、部活も自分達でゼロからつくっていく必要があった。なにしろ前例がないので、自分達がいい前例を創る、という気持ちが強かったですね。

古川卒業後の道筋や指標みたいなものもまだまだ未知数だな、と不安に思うこともありましたが、父に「一期生と二期生は伝説をつくる存在だ」といわれ、「よし、じゃあやってみよう!」と。

河合一期生・二期生はパイオニア精神が豊かな面々だったな、と思います。

古川一期生はパイオニア、二期生は調整役ですかね。一期生がものすごいエネルギーで生み出したものを、二期生が方向性を整えて、合わせて医学部創生の伝説へ! という学生生活で楽しかった。おかげで、他では経験できなかったことを、たくさん経験できたと思います(笑)

吉村この大学の特長だと思うんですけど、先生と学生との距離がとっても近くて、先生方が学生から出ている要望を直接聞く会とかを開いてくれたりして、先輩がいない分、先生方と話してました。

河合コロナ禍になる前は、県人会とか部活とかで、飲み会なども多かったよね。先輩がいない分、教職員が学生さん達のできるだけ近くにいよう、学生さん達が学年や学部を超えたつながりが持てるようにしよう、というのは大学側の思いでもありました。

河合卒業にあたり、医師として働くことへの心配はありますか?

古川同じ大学を卒業した人は、そこに強いつながりがありますよね。たとえ学年が離れていても、他の人達とは違うつながりが確実にある中で、私達は1個上の先輩方としかそれを築けないんだなあ、と思ったことはあります。

吉村一番大きいのはケースモデルが少ないこと。大学生活では一期生100人という見本がいたけれど、これから先、専門にする診療科とかが違ってくるので、参考になるケースモデルもかなり限られてしまいますよね。

河合やはりそうですよね。そういう不安がおそらくあるだろうと思ったので、一期生の卒業と同時に卒業生交流支援センターをつくりました。6年間を振り返って、こういうのがあったら良かったなあという希望はありますか?

吉村在学中は、専門医とれるのかなあ、この先どういう風に進んでいくのか分からないなあ、と不安でした。先輩方が研修医としてどんな風に過ごしているのかとか、どんな診療科に進んでいったのかレポートしてくれると助かります。

古川卒業後の臨床研修(※1)をする病院を選ぶ時も、特に自分の出身地以外の病院を考えたりする人は、先輩からの情報が少しでもあると本当にありがたいと思います。先輩方と連絡を取れる、ということへの安心感もあると良いです。

河合卒業生交流支援センターでは、“国試直後の座談会”とか“臨床研修病院を決める前の病院面接のポイント座談会”などを企画しています。その他に「こういう話が聞きたかった」などありますか?

古川「病院を受ける前に3回は面接に行け!」とよく聞きましたけど、具体的にいつ行ったら良いか分かりませんでした。実際のカリキュラムに沿って、「この時期なら面接に行ける」とか「私はこの時期に行った」とか、具体的な情報が聞けたら良いと思います。

吉村同じカリキュラムを経験した人にしか分からない、例えば「6年生のこの時期は、こういう風に進んでいって、ここは忙しくなるから、ここで勉強しておいた方が良い」といった、自分のカリキュラムに合った流れが分かる情報が一番欲しいかな。

河合なるほど。具体的な流れや実際の経験を、先輩から聞くのが一番いいんだね。今後はその視点で企画を考えてみます。吉村君は卒業後、卒業生交流支援センターのSNS「 Chimer(※2)」の運営を手伝ってくれる予定ですが、何か考えていることはありますか?

吉村一期生が去年1年間やってきてくれたことは、すごく良かったと思います。激励もいただいて勇気づけられました。それに加えてこれからは、後輩に自分達の経験をきめ細やかに伝えることもしたいと思います。例えば、 ポリクリ(※3)が始まる前に、今後の見通しをちょっと教えてあげたりとか、、

河合卒業生交流支援センターとして将来的には、卒業後、医師として活動していく上で、または転職などを考えた時に、同じ道を歩んだ先輩の話が聞けて、連絡を取り合えるような環境がつくれれば嬉しいです。自分の経験を後輩に伝えられるというメリットと、自分の必要とする情報を同窓生から得られるという2つのメリットでつながっていけるようなコミュニティを目指したいと思います。

※1 医師免許取得後、診療に従事しようとする医師は、大学病院または厚生労働大臣の指定する病院での2年間以上の臨床研修が医師法により義務付けられています。
※2 Chimerは、本学医学部で臨床実習に出る資格を得た人と本学教職員のみが、任意で実名で入ることができるSNSです。
※3 ポリクリは、医学部在学中の臨床実習の通称です。

■医学部卒業生交流支援センターについて

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